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機械設計会社に転職・採用試験の内容は?

      2023/02/27

機械設計会社への転職を考えていたら、採用試験はどんなのが出るの?って気になりますよね。
私は機械設計会社に転職したことがあり、もちろん採用試験を受けました。
その時どんな問題がでたのか、何を勉強しておくべきなのか解説したいともいます。

機械設計会社へ転職の採用試験でこんな問題が出た

もちろん会社によって、どんな採用試験を実施するかは全然違ってくると思うので、私の場合は採用試験にこんなのが出たってことで紹介したいと思います。
同じ会社でも、どんな人物をどんなポジションで採用するかによってもまた変わってくるでしょう。
一般的な機械設計会社に一般の設計者として入社する場合の例と思ってください。

大雑把に言えば、採用試験は下記の内容でした。

  • 筆記試験 合計90分
  • 実技試験 合計60分
  • 面接 (人事担当社と採用部署の面接と社長面接)

内容を詳しく見ていきましょう。

筆記試験 合計90分

合計90分間ですが、30分ずつ3回に分けて問題用紙を渡されました。
2枚目を解いている間に、1枚目をすぐ採点するためと思います。

歯車の寸法についての問題

歯車の寸法について(歯車の歯数、モジュールなどが示され、軸間距離、出力回転数、伝達動力などを計算して答える

動力を求める問題

○○kgの物体を○○km/hで引っ張るのに必要な動力(kW)を求めよ(摩擦係数○○)
落差○○mの滝(流量○○m^3/S)の発生動力を求めよ

機械工作法(プレス加工)について文章穴埋め問題(選択式)

「プレス用型は、一般に( )と( )が一組となって、・・・」
みたいな選択式の穴埋め問題でした。
答えは(パンチ)と(ダイス)。

材料力学についての問題

両端支持ばりに荷重を加えたときのせん断力図、曲げモーメント図を描く問題。
示された図形の断面二次モーメント、断面係数を導く問題。

金属材料についての問題

SS400,SUS304,SCM435,FC300などの材料記号がなにかを選ぶ(一般構造用圧延鋼などの選択肢あり)
材料についての文章穴埋め問題(焼入れできるステンレスは○○系である。等)

組立図や部品図に寸法などを記入する問題

組図と寸法の入ってない部品図があり、部品図に寸法、表面仕上、溶接記号、幾何公差等を入れて完成させよ。

実技試験 60分 部品図を渡されSolidworksでモデリングする内容

部品図を4枚渡され、Solidworksでモデリングするという内容。

1枚目: カバー 溶接構造の板金部品 t3
2枚目: クランク軸 旋削+フライス加工
3枚目: 旋削+フライス加工部品

4枚目に取り掛かったところで時間切れとなりました。

面接では何を聞かれた?

面接は特に変わったことは聞かれませんでしたが、このような内容でした。

  • マネジメント経験有無
  • 今までどんな仕事をしてきたか
  • 今までの職務経歴
  • 転職を考えた理由
  • 現住所、通勤時間
  • 入社可能時期
  • 希望年収
  • 併願先の有無

志望動機は聞かれませんでした。

何を勉強すればいい?

採用試験に備えて一応勉強しておきたいって人は、私が体験した採用試験の内容を見れば、何をすべきか見えてきますね。

ベースとなるのは「4力学」

機械工学について大学等で学んだ人なら常識かもしれませんが、下記の4つの力学、通称「4力学」が基礎となる学問として重視されます。

  • 材料力学
  • 機械力学
  • 熱力学
  • 流体力学

ねじや歯車やチェーンやらの機械要素も大事ですが、そういうのは4力学という基礎の上に建ってる家みたいなもんです。
基礎がしっかりしてないと、家だけしっかり建てても崩れてしまいます。

とはいえ、熱力学と流体力学は、一般的な機械設計では重要度が低いと感じます。
機械設計会社への転職の採用試験に対しては、時間がなければ対策なしでもなんとかなるかもしれません。

当ブログでも材料力学による強度計算方法等を説明しているので、参考にしてみてください。

歯車やネジなどの機械要素

4力学という基礎をある程度押さえたら、歯車やネジ等の機械要素についての知識も必要です。

部品がどのように加工されるか

切削加工、プレス加工、樹脂の射出成形など、部品がどのように加工されるかの知識も必要です。
実際に加工経験があると、なお良しですね。

材料について

主要な金属や樹脂のJIS材料記号は覚えておきましょう。
数多くある材料をどのように使い分けるか、各材料の特性も抑えておきましょう。

製図について

製図、つまり図面の書き方についてです。
JIS B0001と言う規格が機械製図の基礎になっています。
JIS規格は登録すれば無料で見れるので、見たことない人は目を通してみるとよいでしょう
製図は手書きで出来なくてもOKです。
手書きする機会なんて、ほとんどないので。

CADの操作

3DCADでのモデリング、アセンブリ作成、図面作成まで一通り出来たほうが良いでしょう。
と言うより設計者なら出来て当然です。

「機械設計製図便覧」の内容は一通り抑えておこう

採用試験の内容を思い返してみると、多くの内容は「機械設計製図便覧」に載っているような内容です。
機械設計製図便覧には熱力学や流体力学の内容は掲載されてなく、採用試験にも出なかったと思います。
しかも、試験中に機械設計製図便覧を見てもOKと説明されました。

(もっと言うと、何を使っても良いと言われたので、不明点をスマホで調べながら解いた問題もあります。
設計の実務でも不明点や計算方法等は逐次調べながら進めるので、実務に近い条件で問題解決する能力を測っているのかもしれません。)

機械設計会社の先輩社員の中でもベテランの高い設計力を持っている人ほど機械設計製図便覧を大事にしている印象です。
そういう人たちが採用試験の問題を作ったとしたなら、やっぱり機械設計製図便覧の内容を試験問題にするのは自然な流れなのかもしれません。

機械設計者なら機械設計製図便覧を持ってる人も多いです。
持ってないなら、この機会に購入しても良いかもしれません。

まとめ

というわけで、機械設計会社に転職したときの採用試験を紹介してみました。
内容的には基礎的な事がほとんどですが、あまりにも出来なかったら不採用ということもあり得ますので、しっかり対策しておきましょう。

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