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【材料力学】機械設計の強度計算のやり方・計算例付き

      2022/11/23

機械を設計するために強度の計算が出来ることは重要です。
強度の計算は「材料力学」という学問を使うのですが、一通り勉強しても「で、結局どうやって計算したらいいの?」ってなりがちです。

実務で使いやすいようにシチュエーションごとの強度計算方法を整理してみました。
具体的な計算の仕方も掲載しているので、仕事で急に設計をすることになったけど、強度の計算方法が分からない!、材料力学を昔勉強したけど全部忘れた!、そもそも勉強したことがない!、と言う人も大丈夫です。

この記事を読めばシンプルな形状、荷重条件であれば電卓やExcelで強度を手計算出来るようになります。

我々設計者にとって「材料力学」は機械設計の実務で使う道具です。
道具としての材料力学を使いこなせるようになりましょう!

強度計算の考え方

部材に荷重がかかると、部材の内部に「応力」が発生します。
発生した応力が部材の材料の持つ強さ「引張強さ」や「降伏強さ」を超えると破断したり永久変形したりします。
強度の計算は基本的に発生する応力を計算することで行います。

同じ1000 Nの荷重がかかったとしても、太さが1mmの棒と10mmの棒では壊れやすさが違うと感覚的に分かりますよね。
このように部材のサイズや形状を変えることで、内部に発生する応力が小さくすることができます。

機械設計ではこのように強度を計算して部品のサイズや形状を決めていくのです。

手計算で出来ること、出来ないこと

材料力学の知識を利用して機械の強度計算が出来ますが、残念ながらどんな状況でも計算できるわけではありません。
材料力学で計算できるのは、比較的シンプルな形状に限られます。
複雑な形状に複雑な荷重のかかり方をしている場合、コンピュータによる強度解析(CAE)に頼らざるを得ないことも。

とは言え、設計するものを単純な形状とみなして手早く手計算することで、毎回CAEするより設計時間を短縮出来ます。

部材の引張や圧縮時の強度計算

単純に部材を引っ張った時に破断したり永久変形しないか、という強度を計算する方法です。
引張だけじゃなく、圧縮したときの強度の求め方も同じです。

詳しい計算方法は下記の記事で解説しています。

引張荷重を受ける例

引張や圧縮時の強度計算が使える例として、パンタグラフジャッキは上部に荷重がかかると、ネジは引張荷重を受けます。
自転車のスポークなんかも引張荷重をうけて車体を支えます。


部材にせん断荷重がかかる場合の強度計算方法

部材にせん断荷重がかかる場合の強度計算方法です。
せん断荷重がかかるケースは、ボルトや軸が多いと思います。

せん断に対する強度は下記の記事で詳しく解説しています。

せん断荷重を受ける例

ハサミやペンチの軸はせん断荷重を受けます。
ペンチは大きなせん断荷重がかかるので、ハサミの軸よりずいぶん太くなってますね。
部材を締結するボルトもせん断荷重を受けることが多いです。

部材を曲げる力がかかる場合の強度計算方法

片持ばりを曲げるように働く荷重に対する強度の計算方法を下記の記事で詳しく説明しています。

曲げ荷重がかかる例

曲げ荷重がかかるケースはとても多いですが、例えばオフィスチェアの足は曲げ荷重を受けます。
机の天板とか、ペンチの柄なども曲げ荷重を受けます。


部材が座屈する時の強度計算方法

長い柱に上から荷重をかけるとぐしゃっと潰れる減少を座屈といいます。
部材が座屈する強度の計算方法です。
オイラーの式とランキンの式が有名かと思いますが、ジョンソンの式も覚えておいて損はありません。

下記の記事で計算方法を詳しく説明しています。

座屈の例

机の脚とか建物の柱など、座屈しないか考慮する必要があります。


部材がねじられるときの強度計算方法

部材がねじられる時の強度計算方法です。
断面の形状が円形か、円形以外かで計算方法がかなり変わってきます。

円形断面

断面が円形の中実円(丸棒)、中空軸(パイプ)のねじりに対する強度の計算方法です。


下記の記事で円形断面軸のねじりに対する強度計算方法を説明しています。

長方形断面

長方形断面の部材をねじる荷重が加わることもよくあります。


下記の記事で長方形断面軸のねじりに対する強度計算方法を説明しています。

ねじりの例

ドライバーの軸、T型レンチの軸、モーター等動力の伝動軸はねじりを受けます。

まとめ

引張・圧縮、せん断、曲げ、ねじり、座屈と、ごく基本的な荷重の加わり方に対する強度計算の方法を解説しました。
他の強度計算方法についても随時追加していきたいと思います。

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