機械設計会社に転職・CADスキルはどの程度必要?
2023/02/18
機械設計といえば、CADを使って3Dモデルを作成したり図面を書いたりしているイメージがありますよね。
それは大きく間違ってないですが、じゃあ機械設計会社に転職するとき、どの程度のCADスキルがあれば良いのでしょうか?
機械設計会社に転職するときに必要なCADについて解説したいと思います。
この記事の目次
3DCADでモデル作成、アセンブリ、図面作成まで出来るのが最低限必要なレベル
機械設計会社では複数種類のCADを使い分けますが、転職するときには、なにか一つのCADを習得していれば問題ないでしょう。
今の時代は2DCADしか使えないとなると厳しいので、できれば3DCADを。
具体的な操作スキルとしては、下記のことが出来れば問題ないかと思います。
- スケッチを書いて押し出したりフィレットを入れたりと言ったパーツのモデリング
- パーツを組み合わせたアセンブリが作れる
- 部品図や組立図などの図面が書ける
普段3DCADを使っている人にとっては、どうってことはないレベルですよね。
基本的な操作が出来れば、そんなに複雑なことは必要ないことが多いです。
複雑なサーフェスモデルなんかは出来なくてもOK
自動車の曲面で構成されたボディをモデリング、とかなるとサーフェスを扱う技術が必要になりますが、一般の機械設計ではそこまでの技術は必要ありません。
モデリングについては、スケッチを書いて単に押し出したり削ったりで多くの部品は事足ります。
2DCAD? 3DCAD? CADの種類は何が有利?
機械設計会社に転職する場合、CADの種類は何を習得していれば有利でしょうか?
2DCADなら、しいて言えばAutoCADですかね。
AutoCAD以外は、これと言って特に有名なCADはなく、「AutoCADかそれ以外か」と言う状況です。(あくまで個人の感想です)
その他の機械設計向けの2DCADもいくつかありますが、2DCADといえばやっぱりAutoCADが大きなシェアを持っています。
Autocadは機械設計に特化しているわけではありませんが、機械設計でも建築設計でも汎用的に使えます。
一応機械設計むけの「AutoCAD mechanical」というエディションもあります。
最近は3DCADで設計することが多く、2DCADの出番は少なめです。
3DCADなら、以下のものが機械設計会社でもよく使われています。
- Solidworks
- CATIA
- Inventor
- ICAD SX
これ以外でもOKですが、どれか一つ使えたら問題ないでしょう。
でもICADはちょっと概念が特殊で、Solidworksから3DCADに入った人にICADはとっつきにくい印象です。
その逆もしかりで、ICADを最初に触った人は、Solidworksの考え方に馴染むのに時間がかかるかもしれません。
Solidworks等、現在の多くのCADが「ヒストリー型」と呼ばれるタイプで、ICAD SXは「ノンヒストリー型」に分類され、モデル作成時の考え方が大きく異なります。
他のCADを覚えるのはそんなに苦労しない
機械設計会社では好きなCADを使うわけではなく、基本的に客先に合わせて案件ごとに使うCADを変えます。
全員がすべてのCADを使えるわけじゃないので、Solidworksの案件はこの人、みたいになってくるんですが、必要があれば新しいCADを覚えることもあります。
何か一つ3DCADを使えるなら、他のCADを覚えるのはそんなに苦労しません。
3DCADの種類が違えど、考え方は共通しているところも多く、最初のCADを覚えたときのような苦労はないはずです。
さっきも書きましたが、「Solidworks」と「ICAD SX」のように、ヒストリー型、ノンヒストリー型はけっこう違うので、少し注意が必要ですが。
CATIAとSolidworksなんかは同じヒストリー型なので、どちらか使えればもう一方もすんなり馴染めるかと。
2DCADもちょっと触れば使えるようになると思います。
もし3DCAD未習得なら、Fusion360で練習してみては?
現在2DCADしか使ってなく、転職を考えている場合はどうすればよいでしょうか?
会社に2DCADしかない場合、練習することも出来ませんよね。
通常の3DCADは金額的にも個人で購入できるようなものではありませんが、あくまで練習としてAutodeskのFusion360という3DCADを触ってみるのはどうでしょうか?
Autodesk社はあの有名な2DCAD AutoCADや3DCAD Inventorを作っている会社。
そのAutodesk社が出している、個人の趣味や小規模事業者向けの3DCADと言う位置づけですが、機能的には高額な3DCADにも引けを取りません。
機械設計会社の業務ではFusion360はマイナーで、存在自体あまり知られていないかもしれません。
Fusion360を習得したからと言って、仕事で直接役に立つことはないと思いますが、3DCADとはこういうものなんだ!というのを理解するのには最適です。
しかも、個人だと無料で使えます。
ちなみにFusion360はSolidworks等と同じ「ヒストリー型」の3DCADに分類されます。
細かい操作は結構違いますが、考え方は似ているのでSolidworksに移行したときもその経験は無駄にならないはずです。
ベテランや上流の設計者になるほど、CADの重要度は下がる
機械設計会社に転職と言っても、ポジションによってはCADスキルは重要ではないかもしれません。
特に管理職だと、自身が直接CADを操作する機会も少なくなります。
また、ベテランの設計者ほど、いきなりCADでモデルを作り始めたりしないものです。
上流の、つまり設計初期の構想設計段階では手書きで数パターン検討し、実現可能性が高いものに絞ってからCADでモデルを作ることもあります。
構想設計は、どちらかというとベテラン技術者が担い、次の下流工程はより若手設計者にバトンタッチしてCADでモデル作成と言うパターンもあります。
CADスキルより設計力を鍛えよう
極論を言うと、CADが使えるかどうかは設計力には直接関係がないのです。
- CADが使えないけど、設計力がずば抜けている人材A
- CADは使えるけど、設計力は人並みな人材B
がいたとしたら、設計力が高い人材Aのほうが貴重な存在です。
3Dモデルを作ってアセンブリしていけば、なんとなく設計している気分になってしまいます。
でも、各部の寸法は適当じゃなく、しっかり根拠を持ってその寸法にしていることを説明できなければ、設計したとは言えません。
(実際には、時間がないからここの寸法は適当で!みたいなこともありますけどね)
ただ3Dモデルが作れるだけでは、「モデラー」とか「CADオペレーター」とか言われかねません。
本当に鍛えるべきなのは、CADの操作スキルよりも設計スキルと言うわけですね。
まとめ
機械設計会社に転職するとき、CADの操作スキルはそれほど高いレベルは求められません。
そこそこ使えるレベルであれば問題なく、応用的なCADの操作については必要に応じて勉強すればよいでしょう。
それよりも重要なのは設計そのもののスキル当ブログでも材料力学による強度計算方法等を説明しているので、参考にしてみてください。
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