カワハラの、雑多な記録。

メーカーの機械設計職と機械設計会社の設計者の違い

      2023/02/18

自社製品を作るメーカーの社員の機械設計者と、機械設計会社に所属の設計者では何が違うのでしょうか?
「機械設計をする人」と言う意味では同じですが、それぞれの仕事への関わり方や、何にやりがいを感じるか、という点で結構違う気もします。
メーカーの設計者、機械設計会社の設計者を両方経験したことがある私がメーカーの機械設計者と機械設計会社の設計者の違いを考えてみたいと思います。
メーカーや機械設計会社へ就職や転職を考えている人の参考になれば幸いです。

機械設計会社はどのような仕事をするのか?メーカーの依頼により作業する

機械設計会社は自社で何か製品を作って売るのではなく、メーカー等の客先企業の依頼をこなすことで対価を得ます。
依頼されて設計するものは、メーカーが販売する製品そのものとは限らず、メーカーの工場で使う生産設備だったり、治具等の場合もあります。

機械設計会社の納品物は主に設計データや図面となります。

メーカーは自社製品を作って売るのが仕事

メーカーに所属している設計者の仕事は、自社製品を設計することです。
生産技術系の技術者の場合は、製品を作るための生産設備を設計するのが仕事、というパターンもあります。
メーカーと言えど、他の会社から依頼を受けて製品を開発することもあり、最終製品にそのメーカー名はついてないこともあります。

ここでは話を簡単にするために、「メーカー」は自社製品を作って売る会社ということにします。

メーカーの設計者はプロジェクト全体を統括する

新製品の設計など、ある程度規模の大きいプロジェクトの場合、メーカーの設計者の指示の元、機械設計会社の設計者が作業する場合が多いと思います。
メーカーの設計者はプロジェクト全体を総括するようなポジションとなります。

メーカーの社員だけですべての作業をこなす余裕がないので、機械設計会社に作業を外注するのです。
なので、プロジェクトの規模が大きくなるほど、メーカーの社員は外注業者(機械設計会社の設計者等)に指示をしたり、納品された図面をチェックしたり、打ち合わせしたりと言った仕事が多くなります。
その結果、メーカーの設計者が直接CADを使ってデータを作成したり、図面を書く頻度は下がってしまいます。

自動車メーカーの設計者が「設計はほとんど派遣の設計者がやってる」と言っている記事を読んだことがありますが、ここで言う「派遣の設計者」は機械設計会社等から派遣されてきた設計者のことでしょう。
メーカーの設計者が仕事をしていないという意味ではなく、メーカーの設計者は彼らに指示を出し、設計内容を精査して判断することで手一杯となり、自ら部品の形状などの詳細設計する時間が取れないのです。

もちろん、機械設計会社等に依頼せずすべて自社内で設計するメーカーも多いですが、会社の規模が大きくなるほどこのような傾向にあると感じます。

機械設計会社の設計者を含め、チームを率いて製品開発を進めることに喜びを感じるのか、自分の手でもっとCADをいじったり図面を書いたりしたいと思うのかは人それぞれです。

機械設計会社の設計者はメーカーの設計者の下で詳細部分を担当

機械設計会社の設計者はメーカー等の客先企業に派遣されたり、自社の事務所で請負作業をしたりします。
どちらにしても、依頼者から何らかの設計の依頼を受けて仕事をします。

客先であるメーカーに派遣された場合、メーカーの設計者の指示の元で設計作業を行います。
メーカーの設計者はプロジェクトを統括する立ち位置の場合が多いので、派遣された機械設計会社の設計者は、装置全体と言うよりは、装置の中のユニットや、部品等の設計を行うことが多いです。
担当する領域が、メーカーの設計者より狭い詳細部分となります。

しかし、10年以上同じ客先に派遣される例もあり、この場合は客先企業に新たに入社してくる設計者より経験が長くなることも。
機械設計会社の設計者が、逆に客先企業の若手設計者に教えることや、信頼を得ればチームリーダー的なポジションになることもありえます。

設計会社が設計するのはあくまで客先企業の商品だったりする

機械設計会社でも、依頼内容によっては新製品の構想段階から関わり、ほぼすべての内容を設計することもあります。
しかし、ほとんど自分が設計したとしても、設計したものはあくまで客先の企業の製品です。

あくまで「お手伝い」している感じで、「その製品を自分が設計した!」と心から感じられないかもしれません。

メーカーは自社技術のコアな部分は機械設計会社に渡さない

メーカーは必要な3Dデータ等は機械設計会社にもちろん渡します。
ですが、製品設計のキモになる情報まではもちろん渡しません。

例えば3Dデータを見れば各部の寸法は分かりますが、ではなぜその寸法にしているのか?と言う情報です。
この情報こそが製品のコア部分の設計に必要な、もっとも大事なものだからです。

機械設計会社に所属している限りは、いろんなメーカーの製品の設計に携わることが出来ますが、各メーカーの技術の核心の部分を知ることはできないかもしれません。

機械設計会社にお手伝いしてもらうのは期間限定の場合も多く、製品の根幹にかかわる部分を外注化していると、自社内での技術継承がうまくいかなくなる危険性があります。
そのため、悪く言えば誰でも出来る部分の設計を機械設計会社に依頼します。

メーカーの設計者は狭く深く、機械設計会社の設計者は広く浅く

メーカーの設計者は同じジャンルの自社製品の設計をずっとしているため、製品に関わる部分はとても詳しいですが、それ以外の部分はあまり知らないことがあります。
どちらかというと知識は「狭く深く」なります。

一方、機械設計会社の設計者は、いろいろなメーカーの作業をこなすため、知識の幅は広くなります。
どちらかというと知識は「広く浅く」なります。

どっちが良いというものでもないですが、
メーカーの設計者は「自社製品についての専門知識はあるけど、自分は他社に行っても通用するのかな?」と悩み、
機械設計会社の設計者は「一般的な機械設計の知識はあるけど、際立った専門性がないな」と悩むかもしれませんね。

まとめ

メーカーの設計者と、機械設計会社の設計者では、仕事内容や進め方、仕事に対する考え方も結構違います。
でも、良いものを作りたいという思いは同じです。
設計者を目指している方や、メーカーから機械設計会社への転職を考えている、又はその逆の方の参考になれば幸いです。

今すぐ転職を考えてなくても、転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーに今後のキャリアを相談するのも一つの手です。
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