機械設計会社の「派遣」ってどんな働き方?
2023/02/18
機械設計会社で働く人の勤務形態として、客先への「派遣」があります。
機械設計会社に就職・転職したい人にとって、派遣ってどんな感じなんだろう?って気になりますよね。
機械設計の派遣とはどんな働き方なのか、設計会社勤務経験のある私が説明したいと思います。
この記事の目次
機械設計会社の「派遣」は正社員が多い
「派遣」と聞くと正社員じゃないイメージですが、機械設計職の派遣は正社員の場合が結構あります。
どういう事かというと、派遣を受け入れる企業から見れば派遣者は非正規の職員ですが、派遣元、つまり派遣される設計者は、本来所属している設計会社の正社員の場合が多いからです。
設計会社は、自社の正社員をメーカー等の他社に派遣するのです。
しっかりした設計会社なら社員の技術研修はしっかりしている印象です。
派遣する設計者は。設計会社にとって戦力であり商品です。
技術研修をしっかりやってますよ、というのは客先企業に対してもアピールになります。
派遣を依頼する側も、しっかりとした知識・技術を持った人に来てもらいたいですからね。
不安定な印象の「一般派遣」と安定な印象の「特定派遣」
一般的に派遣というと不安定な勤務形態というイメージがないでしょうか?
それは派遣会社に登録して、派遣先の企業を斡旋してもらう登録型の派遣を想像しているからです。
その働き方は、派遣元会社や派遣先会社の正社員ではなく非正規雇用のため、派遣期間が満了したり、派遣先企業の業績が悪化すると真っ先に切り捨てられる可能性があります。
派遣先企業に派遣されていない期間は給与も出ません。
一方、機械設計会社に正社員として雇用されていて、派遣先企業に雇用されるパターンですが、かつては「特定派遣」と呼ばれていた働き方です。
平成30年に特定派遣と言う制度は廃止されましたが、登録型の「一般派遣」と比べ、派遣元企業の正社員のため、雇用が安定しているという特徴があります。
機械設計会社に正社員として所属していて派遣される場合は、一般派遣の派遣会社に登録して派遣される場合と比べて安定していると言えるでしょう。
身分的には設計会社の「正社員」となるわけなので有期雇用ではなく、無期雇用です。
何年かしたら契約満了とはなりません。
ちなみに派遣元で有期雇用だと同じ派遣先に原則3年しかいられませんが、機械設計会社で正社員つまり無期雇用されている場合は同じ派遣先に何年でもいられます。
機械設計会社の「請負」と「派遣」
機械設計会社の仕事の仕方には大きく分けて下記の2つあります。
- 依頼された仕事を自社内で作業する「請負(うけおい)」
- 客先企業に社員を送る「派遣」
「設計会社」と聞くと、会社の事務所で設計者がPCでCAD作業しているようなイメージがあるかもしれません。
それが「請負」です。
「派遣」はその名の通り、客先企業に社員を派遣し、客先企業内で仕事をします。
設計会社によっては、請負と派遣の両方しているところや、派遣のみ行っている会社があります。
派遣専門の設計会社だと待機期間があることも
派遣のみ行っている会社では、自社内に設計業務はないため、派遣されていない期間は「待機期間」となります。
この期間は社内で技術力アップのための研修を受けたりします。
設計会社の正社員の場合、この期間も給与は支払われるので、収入が途絶える心配はありません。
ただし、派遣されることによる手当や派遣先企業での残業代などがなくなるため、収入額は減る可能性もあります。
派遣・請負両方やってる設計会社だと待機期間はない
一方、派遣・請負両方やってる設計会社だと待機期間はありません。
派遣されていない期間も、自社内には請負作業があるため、そちらの仕事をすることになります。
他社に派遣されずに、会社員人生の多くを自社内で請負作業をやっている社員もいれば、設計会社の在籍期間ほとんどを派遣として過ごす社員もいたりします。
会社にもよりますが、このへんは各自の希望もある程度聞いてもらえます。
派遣される設計者は、「派遣元の設計会社の社員」と言う意識が強い
一般派遣だと登録した派遣元会社に対する帰属意識は薄れがちです。
派遣元の正社員ではなく有期雇用の場合は特にそうです。
長年かいると、自身が派遣先会社の一員であるかのように錯覚してしまうこともあるかもしれません。
しかし、機械設計会社から派遣される設計者は、派遣元の機械設計者の正社員である場合が多いです。
そのため、派遣される設計者の意識としても、あくまで「派遣元の設計会社の社員」と言う意識が強いです。
派遣・請負両方やってる機械設計会社だと、派遣先のメーカーでボリュームのある仕事を取ってきて、設計会社の事務所内で仕事をしている請負メンバーに仕事を回す、ということをします。
派遣メンバー一人でこなせない量の作業を、請負メンバーと分担することで受注金額を増大させる戦略です。
なるべく多くの仕事を取ってくると言うミッションも背負っているので、「派遣元の設計会社の社員」を忘れることはありません。
短期間派遣した後、仕事を請負うパターンもある
設計会社ごとの仕事の進め方の話になりますが、設計技術者を客先に短期間派遣した後、事務所に戻して作業を請負う、と居うパターンもあります。
設計に用いる数値だったり、図面の書き方だったり、客先ごとに設計に対するルールがあるものですが、そういったルール等を習得する目的で短期間派遣するのです。
その客先の仕事の進め方を習得した後に事務所に戻り、複数のメンバーとルールを共有してボリュームのある仕事を請け負う、といった感じです。
まとめ
というわけで、機械設計会社の派遣の話でした。
あくまで私の知っている会社はこんな感じだったよ、と言う話なので、会社によっては全然状況は違うかもしれません。
機械設計会社に転職を考えている人の参考になれば幸いです。
今すぐ転職を考えてなくても、転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーに今後のキャリアを相談するのも一つの手です。
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