カワハラの、雑多な記録。

2000円以下なのに面白い写真が撮れるおすすめ単焦点レンズ【実写サンプルあり】

   

マイクロフォーサーズマウントのカメラOM-D E-M10用に単焦点レンズを買ったんですが、安い割になかなか良かったので紹介したいと思います。
安いって言っても、カメラのレンズなんて結構するんでしょ?と普通は思いますよね。
ところがこのレンズ、F1.4とかなり明るいレンズにもかかわらず、お値段たったの1,724円だったんです。

今まで単焦点レンズを使ったことがないけど興味はある、そんな人におすすめできます。
新しい世界が見えてくるかも知れませんよ。

SODIAL 25mm F1.4の特徴

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そのレンズの名は「SODIAL(R)黒の25mm F1.4 CCTVレンズ」。
変な名前ですが、amazonにそう書いてるし、これ以上の情報がほとんどありません。

SODIALと言うブランド名ですが、どうも中国のメーカーっぽい。
そもそもがマイクロフォーサーズマウントのレンズではなく、「Cマウント」と言うネジのマウントで、監視カメラとかに使うレンズらしいです。
つまり、マウントアダプターがないとOM-Dに取り付けることが出来ません。
でもマウントアダプターもたったの311円で売ってたので、併せて買えば問題ありません。

マウントアダプターさえ準備すれば、このレンズは別にマイクロフォーサーズじゃなくても使うことが出来ます。
各マウント用にアダプターが売られているので大抵のマウントで使えます。
CanonのEFマウントとかEF-Mマウント、ソニーのEマウントとかが売られているようです。
でもマイクロフォーサーズの本体で使うのが良いかな、と思います。
後述しますが、Eマウントのフルサイズセンサーのカメラで使うと、ケラレが盛大にでますので。

マイクロフォーサーズ機で使うと、焦点距離が35mm版換算で50mmとなり、いわゆる「標準レンズ」の画角になります。
その意味でもマイクロフォーサーズで使いやすいと言えるでしょう。

このレンズにカメラ本体と信号をやり取りする接点は一切ありません。
つまり、絞りやフォーカスは完全にマニュアルで使うことになります。
普段はほとんどオートフォーカス(AF)でしか撮らない身にはマニュアルフォーカス(MF)なんて使いこなせるのか?と不安になったりもしますが、まあ2,000円以下で買えますからね。
使いこなせるかどうかなんて、実際に買って確かめてみたらいいんじゃないでしょうか。

このレンズを買った経緯

なんでこんなレンズを買ったかと言うと、前の記事でも書いたように電動ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZがぶっ壊れたので他のを物色している時にたまたま見つけたからです。

amazonで「マイクロフォーサーズ レンズ」とかで適当に検索して安い順に並べた時に目に留まりました。
「焦点距離25mmでF1.4のレンズが2,000円以下?なんかの間違いでは。」と思いましたが、「まあ、おもちゃみたいなレンズなんだろうな」とひとまず自分を落ち着かせました。

でもレビューを見てると、「結構ちゃんと写る」みたいなことが書かれていて、貼られていた実写サンプルもなんだか味わい深い感じです。
なんだか面白そう!と言う直感を信じ、買ってみたというわけです。

失敗しても2,000円以下ですからね。

レンズの外観

注文してから10日ほどでレンズとマウントアダプターが届きました。

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包装は簡易的ですが必要十分。

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レンズ自体の質感は、そんなに悪いもんじゃなかったです。
金属製の鏡筒で、適度な重量感があります。

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小さいレンズというのはなんとなく分かっていましたが、実物を眼の前にすると改めて「小さい!」と感じます。

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キャップを取ろうと回してみたら、いきなり壊れた!
ここはねじ込まれているだけのようで、前玉が外れてしまいました。

もう一回ねじ込めばいいだけの話ですが、ちょっとびっくりです。
キャップは回して外すんじゃなくて、はめ込まれているだけなので引っ張れば外れました。

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キャップを外して正面から見たところ。
白で印字されていますが、なんかフォントに統一感がないような。
そしてレンズにブランド名、メーカー名の表示は一切ありません。

キャップがはめ込むだけのタイプなのでちゃちいですね。
けどこのほうが素早く開閉できていいのかも。
指で摘んでロックを解除する方式だと、解除レバーの位置を毎回探してしまうので。

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マウント側。
ちょっとわかりにくいですが、シルバーの部分がねじになっていて、ねじ込むタイプのマウントです。

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このレンズにはフォーカスリングと絞りリングがあり、先端側が絞りリング。
絞りリングを回すと、当然ですが絞りが動く様が見れます。

でも私が使ったことがあるレンズは、撮影する瞬間に絞り込まれる仕組みだったので、あまり絞りが動作しているところって見たことがなかったんですよね。
リングを回して絞りを動かしてるだけでもなかなかおもしろいです。

絞りリングを目一杯回すと、絞りが完全に閉じてしまいます。
力を込めればリングはまだ回りそうなので、無理な力を加えると多分絞りが壊れます。
ちょっと注意したほうがよさそうですね。

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絞りリングには一応絞り値の数字が印字されているんですが、現在位置を示す指標がないので、はっきり言って今の絞りがどのくらいか分かりません。

なので上の画像のように、適当にマジックで白い点を打ってみました。

絞り開放の位置にリングを回し、「1.4」の印字に合わせて白い点を打ったらOKです。
この数字もどれくらい当てになるのかは不明ですが、目安にはなるので便利。

しかも、絞りリングにクリックはなく、無段階に回せるタイプなので印字を見ながら操作しないと目的の絞り値に設定できません。

カメラにこのレンズを取り付けたところ、私のカメラでは絞り指標がカメラの底側に来てしまいました。
ネジマウントなので、レンズやマウントアダプターによってどの位置に来るかは「運」次第なのかもしれません。
カメラの上側に来てくれたらもっと使いやすいのに、ここはちょっと残念なポイントです。

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マウントアダプターにレンズを装着したところ。

IMG_0004_body+lens
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本体(OM-D E-M10)にレンズを装着したところ。
レンズが小さくてアンバランスですね。
小さいと言うか「細い」。

でもこの「普通じゃない感」がマニア心をくすぐると言うか、なんか良いですね。
別に私はマニアじゃないですが。

こんなに小さいレンズでちゃんと写るの?と疑問になりますが、まあ「ちゃんと」は写らないですね。
面白い感じに写ります。

このレンズでどんな写真が撮れる?

私はいつも適当にしか写真を撮らないので、うまい写真ではないですがこのレンズでの実写サンプルです。
リサイズしていますが、トリミングはしていません。

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室内で適当に取ったものですが、蛍光灯の明かりのみと、そんなに明るくない環境です。

2枚めの写真なんか、ISO200で1/100のシャッタースピードを稼げています。
蛍光灯はそんなに明るくないので暗いレンズだとストロボを使ったり、ISO感度をかなりあげないと手ブレ多発で撮影が難しいですが、F1.4の明るさを遺憾なく発揮してくれていますね。

どれも絞り開放のF1.4付近で撮影していると思いますが、記録された画像のExif情報には絞り値が記録されないので、後から見てどの絞り値で撮影したかが分かりません。
これもちょっと残念ですが、どうしようもないですね。

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上の3枚を見て分かるように、絞り開放だと周辺部はまったくピントが合いません。
なんかぐるぐると回るような「ぐるぐるボケ」が出ています。
見てると目が回ってくる…
ちょっと絞ると周辺部がマシになってきますが、ぐるぐるボケによって中央部が浮かび上がるような感じも、使い方によっては面白いかと思います。

被写体を中央以外に配置しにくいので、こればっかりだとすぐに飽きてしまいますけどね。

また、色の出方も独特で素敵です。
トイカメラっぽいと言うか、昔撮ったフィルム写真を見ているような感じと言うか、ちょっと黄色っぽいと言うか。
キットレンズでもキレイに写るけどなんか味気ない、そう感じていましたがこのレンズで撮ると味わい深い印象になります。

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四隅は絶対にシャープに写らないので、隅々までシャープさを求める人にとっては価値のないレンズですね。
風景には向いてないかも。

一方、中央部は思いの外まともに写ります。

絞りによる描写の違いを楽しめる

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この画像は上がF1.4(絞り開放)、下がF8くらいで撮影したものです。
絞り開放では周辺部のぐるぐるボケがひどく、中央でピントが合った被写体が強烈に強調された独特な写真となります。
しかしF8まで絞ると、あら不思議。
割と普通な感じの写真じゃないですか。

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他の例でも同様に、絞るとまあまあ普通の写真も撮ることが出来ます。
カメラ関連の記事を読んでいると「少し絞るとシャープな写りになる」みたいな表現がよくありますが、それの意味が分かったような気がします。
今まで使っていたレンズはそもそもあまり明るくないレンズだったので、開放でもちょっと絞っても違いがあまり分からなかったというわけですね。

しかし、絞れば絞るほど四隅が暗くなる「ケラレ」が発生します。
開放ではそんなに気になりませんが、F8まで絞ると結構目立ちますね。

さっきも書きましたが、このレンズはマイクロフォーサーズで使うのが良い理由はここ。
ソニーEマウントのフルサイズ機やAPS-C等の撮像素子はマイクロフォーサーズより大きいですが、そういったカメラでこのレンズを使うと撮像素子の4隅まで光を届けることが出来ず、ケラレがさらに大きくなります。

Cマウントレンズの本来の使い方では、撮像素子がもっと小さいので中央部のまともに写る部分だけを使っているというイメージになります。
なので、マイクロフォーサーズ機ですらこのレンズの想定外な使われ方なわけで、フルサイズ機でこのレンズを使うのはかなり無理があるというわけですね。

しばらく使ってみた感じでは、F4あたりで常用するのが、画質的にも、4隅の暗さ的にも良さそうです。

あまり寄れない

このレンズ、思ったより寄れないです。
つまり、小さいものに近寄って大きく写すことが苦手です。
フォーカス位置を最短にセットして測ってみたところ、レンズ先端から45cmくらい、センサ面から50cmくらいのところが最短撮影距離みたいです。

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パーラービーズで作ったパーマンバッジもこの大きさにしか写せません。

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ただ、ちょっと裏技を使うとこんなに近寄って写すことも出来ます。
どうやったのかと言うと、レンズをマウントから外し、カメラの前に手で持ってシャッターを切りました。
センサーに対して、レンズの位置を離してやることで最短撮影距離が短くなるというわけですね。
この原理を利用したCマウント用の「マクロアダプター」というものも市販されているようです。
でもこれを使うと、近くのものは写せるけど逆に遠くのものが写せない「無限遠が出ない」状態になります。

近くのものしか撮らないと決めているときには有効ですが、常用するにはちょっと不便ですね。

操作は難しくない?

このSODIAL 25mm F1.4は絞りもフォーカスも自分でリングを回して調節しなければなりません。
他のレンズと比べた場合、私は普段絞り優先モードで撮影することが多いので、絞りの設定はカメラ側でするか、レンズのリングを回してするかの違いだけです。
これは特に問題ないです。

でも問題はフォーカス(ピント)の調整。
オートフォーカス(AF)が使えないので、今までほとんどAFで撮影してきた人には難しそうに感じてしまいますよね。
しかも私は、Canon EOS 60DのレンズのAFが壊れて、しばらくマニュアルフォーカス(MF)で使っていましたが、結構ピントを外していることがあって、MFに苦手意識を持っていました。

でもこのレンズでのMFはそんなに難しいとは感じませんでした。
F1.4と明るいレンズですが、明るいレンズは絞ってない状態だとピントが合う範囲(被写界深度)が狭くなります。
ピントの合っている箇所以外はぼやけ、ピントの合っている場所が浮き上がるような感じに見えるので、どこにピントが合っているかが分かりやすいんです。

60Dのレンズはそんなに明るくないので、そもそもMFにはあまり向いていないレンズだったというわけですね。

さらに、最近のミラーレスカメラには、フォーカスアシスト機能としてピーキングや拡大表示が利用できます。
すばやくピント調整したい時はピーキング、精密にピント調整したい時は拡大表示、等使い分けることも可能です。

私のOM-D E-M10ではFn2ボタンに拡大、録画ボタンにはピーキングを割り当てて即座に呼び出せるように設定しています。

どう頑張ってもAFの方が早いのは間違いないですが、意外となんとかなります。
むしろ、絞りはこのリング!、フォーカスはこのリング!って決まっているので、操作がシンプルで分かりやすいとすら思います。
普通のレンズだと、モードによって絞りのダイヤルがあっちになったり、こっちになったり、今AFモードなのかMFモードなのか忘れてたりして混乱することがあります。

このレンズは余計なことを考える必要がないので撮影に集中できる、かもしれません。

このレンズの向き、不向き

このレンズの用途として、どんな使い方が向いているかなと考えてみました。

向いている用途

  • お散歩用とかに最適
  • 室内での撮影

ちょっと散歩に行くときとかに連れて行くレンズとしては最適なんじゃないでしょうか。
値段も安いしコンパクトだし、画角的にも使いやすいので気軽に持ち出せます。
今日のお散歩はこのレンズ1本で行こう!みたいなのりでいくと良いと思います。

そして、F1.4の明るさを生かして、室内での撮影にも向いています。
普通の明るさの蛍光灯の照明で、ストロボ無しで問題なく撮影可能です。

向いてない用途

  • 動きの早い被写体を狙う場合
  • シャッターチャンスが一度きりな場面
  • 小物の撮影
  • 大事な場面

逆にこのレンズが向いていない用途としては、動きの早い被写体を狙う場合や、シャッターチャンスが一度きりな場合。
マニュアルフォーカスでの撮影になるので、動く被写体にピントを合わせるのは、慣れた人じゃないと至難の業。
ピント合わせに手間取っているうちにシャッターチャンスをのがしてしまうかも知れません。

小物の撮影にもあまり向いていません。
最短撮影距離がレンズ先端から45cmくらいなので、小さいものを大きく写すことが出来ません。
マクロアダプターとかを用意すれば対応は可能ですけど。

他にも大事な場面、なんかの記念撮影とかにも向いてません。
中央以外はピントが合わないしぐるぐるボケだし、良くも悪くもおもちゃのカメラで撮ったような写真になるので、「ふざけてるの?」と思われかねません。

人物と風景を一緒に写す記念撮影では、人物を中央以外に配置すると顔がボケてしまうので、残念な感じになります。

まとめ

マイクロフォーサーズのレンズはこのSODIAL 25mm F1.4と、14-42mm F3.5-5.6しか持ってませんが、今ではこの2,000円以下のレンズの方がメインとなっています。
なんだか撮影していて楽しいレンズですから。

周辺部がまともに写らないという致命的な弱点もありますが、値段も安いのでそれもご愛嬌と言った感じです。
このレンズで、「明るい単焦点レンズも面白いかも」と思った私は、まともに写せる単焦点レンズも欲しくなってきています。
単焦点レンズ未経験の人のステップアップとしても、このレンズは良いんじゃないでしょうか。
新しい発見がきっとあります。

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