A4用紙利用の「最速のメモ帳」改良版を自作しました
前回紹介した「最速のメモ帳」と称して自作のメモ帳を紹介しましたが、いくつか不満点があります。
というか、あの記事を書いたことにより不満点に気づいたという方が正確かもしれない。
書きながら改良版のアイデアが浮かんできたので、何種類かつくってみたので、また紹介したいと思います。
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A4用紙を利用した最速のメモ帳の作り方
この記事の目次
前回の自作メモ帳の不満点
前に作ったメモ帳に不満な点がいくつかあります。
- クリップやアルミ板でスマホとかに傷がつく
- メモ用紙を交換する時、サイドレバークリップのレバーを起こすのが面倒
- 生のアルミ板は紙や机を汚すことがある
- スマホと一体化させたい
クリップやアルミ板でスマホとかに傷がつく
前回の自作メモ帳はアルミの板で作りました。
金属としては柔らかいアルミですが、カバンにスマホと一緒に放り込んで揺られ続けると、流石に画面に傷がついたりしそうで心配ですよね。
また、薄い鉄板を曲げて作られてるクリップはアルミの本体よりももっとやばい!
カバンに入れるときは傷つけたくないものと離すなどの配慮が必要でした。
メモ用紙を交換する時、サイドレバークリップのレバーを起こすのが面倒
前回の記事では「クリップにもこだわり、サイドレバークリップを使用!」とか書いてますが、この折りたたんだレバーを起こすのが若干面倒です。
まあ、サイドレバーじゃなくて普通のダブルクリップでも同じ手間ですが、目玉クリップだとレバーを起こす手間はないですからね。
大した手間ではないですが、メモをするために手帳のページをめくるのも面倒くさい私なので、できればクリップのレバーを起こす手間もなくしたいです。
生のアルミ板は紙や机を汚すことがある
生のアルミ材は紙とか白い机とかにこすりつけると跡が残ります。
アルミは柔らかい金属なので、微粒子が削れて紙に付着するのかもしれません。
「生のアルミ」と言うとなんだか缶ビールと関係ありそうな感じがしますが、塗装やアルマイト処理をしていない、と言う意味です。
身の回りの製品に使われているアルミはたいてい塗装やアルマイト処理されているので問題ないですが、自分でアルミの板を切って作ったのでこの問題は避けられません。
アルマイト処理を自分でするのは無理にしても塗装くらいならできそうですが、塗装は剥げてくるとみすぼらしいのでしていません。
スマホと一体化させたい
メモを取ろうと思ったら手元にない!ってことありますよね。
この問題を解決するにはどうすればいいかなと考えた結果、「スマホにメモ帳をひっつければいい!」とひらめきました。
スマホの裏面に自作のクリップボードメモ帳を貼り付けておけば、メモ帳を持ってくるのを忘れることもなく、いつでもどこでもすぐにメモが出来る体制が整います。
スマホというデジタル機器の代表選手と手書きメモという生粋のアナログとの融合です。
スマホのメモアプリにメモすればいいじゃん、と言う意見もあろう事かと思います。
まあ、そうですよね。
スマホと一体化させるという計画は、実際に試してみた挙げ句ちょっと微妙だったので結局保留しました。
改良版はこれだ!
すごくシンプルになりました。
クリップもありません。
シンプルすぎて、これだけ見てもよく分かりませんよね。
どういう仕組かというと、プラスチックの板の両縁をカールさせるように曲げて、レールのようにします。
そのレールに、A4用紙を折り畳んだ紙を差し込むだけです。
ペンも挟んでおけます。
材料は厚さ1mmのプラスチックの板。ポリプロピレンかな?
詳細は不明ですが、会社にあった端材。
いらないので捨てようかと思っていましたが、何かに使えるかもと思って取っておいたものです。
捨てなくてよかった。
この改良版メモ帳により、不満点のうち次の3つが解決しました。
- クリップやアルミ板でスマホとかに傷がつく
- メモ用紙を交換する時、サイドレバークリップのレバーを起こすのが面倒
- 生のアルミ板は紙や机を汚すことがある
本体がプラスチック製なので、カバンに適当に突っ込んでいても不用意にスマホとかを傷つけたりしません。
クリップがそもそもないので、サイドレバークリップのレバーが面倒くさい問題とも無縁。
アルミじゃないので紙や机を汚すこともない。
また、前回のクリップボード型はカバンやポケトに出し入れを繰り返すと紙がぐちゃぐちゃになったり、縁がめくれてきたりするのが玉に瑕でした。
でも改良版では両サイドのレールが紙の縁をカバーしているので、そういう問題も同時に解決しました。
改良版のここがイマイチ
残念ながら改良版「最速のメモ帳」にも死角がないわけではありません。
イマイチな点として
- 見た目が貧相
- 書いている面の反対側が透けて見える。
などがあります。
プラスチックの板の両サイドに熱を加えて曲げたので、板全体が反ってしまっています。
それが貧相さに拍車をかけているんですね。
歪みなくカチッと仕上げることが出来れば、もうちょっと高級感が出るかもしれません。
でも曲げるのもなかなか難しいんですよね。
3Dプリンターとかで作ったほうがいいのかもしれない。
また、半透明の板なので手に持って書いているとメモ用紙の裏面が前にいる人から見えてしまいます。
あまり格好良くはないですね。
対策としては、透けない色のプラスチック板を使ったり、塗装したり、カッティングシートか何かを貼ったりすればいいんでしょうけど。
でも、概ね満足しているので、しばらくこれを使っていこうかと思います。
改良版「最速のメモ帳」の作り方
改良版のメモ帳はシンプルですが一般家庭にある材料や道具では作るのがちょっと難しいかもしれません。
でも一応簡単に作り方を紹介します。
まず、幅75mm、長さ110mm以上の厚さ1mmの金属製の板を準備します。
この板はプラスチックを曲げる時のガイドとなります。
A4用紙を折り畳んだ時の幅が74.25mmとなるため、それよりちょっと大きい75mmとしています。
メモ帳本体となるプラスチック板を83mm×107mmに切断。
プラスチック板の両サイドが金属板から4mmずつはみ出る形で、金属板とプラスチック板を重ねます。
万力で固定するなどして金属板とプラスチック板がずれないようにし、ヒートガンを使って熱します。
プラスチック板が柔らかくなってきたら、金属板に巻きつけるようにプラスチックの板を曲げます。
図にするとこんな感じです
図が下手過ぎて余計に分かりにくいかも。
火傷などしないように注意しながら作業しましょう。
3Dプリンターで作ってもいいかも
曲げるのがちょっと難しい上に、曲げると全体が歪む可能性が高いので、3Dプリンターで作ったりするのもありかもしれません。
こんな感じに。
縁を面取りして紙が入れやすいよう配慮するという、微妙なこだわり。
こんな細かい面取りが3Dプリンターで正確に出力できるかどうかは別問題ですが。
FUSION360で作った元データと、3Dプリンターに使えるSTLデータを置いときます。
お手持ちの3Dプリンターで出力するか、DMM.makeみたいな3Dプリントサービスに依頼するかしてください。
ちなみに、私は実際に試してないため、このデータでプリントしたものがちゃんと使えるかどうかは保証しませんのであしからず。
完成に行き着くまでの試作品達
今回、一応上の形で完成しましたが、ここまでたどり着くまでにも紆余曲折がありました。
日の目を見なかった試作品たちを紹介します。
試作品1号機
前の記事でA4用紙を利用したメモ帳と言う似たコンセプトの市販品を紹介しました。
この「保存するメモ帳」が紙を保持する仕組みは、メカニカルなクリップを使用せずに、2枚の革を重ねたその間に紙を差し込んで固定する、というものです。
なるほど。
これならクリップを開閉する操作をしなくても紙の交換ができる。
ということでこの方式をパクって参考にして作ったのがこちら。
紙を挟んだらこうなる。
本体のプラスチック板と細長く切ったプラスチック板をアルミのリベットで止めています。
その隙間にメモ用紙を差し込んで使います。
差し込むだけで紙が不用意に取れたりせず、実用上問題ないです。
でも難点は、幅がちょっと広いこと。
紙を挟むバインダー部分のおかげで、用紙幅+10mmくらいになっています。
もうちょっとスリムな方がいい。
ちなみに使ったリベットはこんな感じのものです。
サイズは3×5で頭はもっとドーム状に丸いので全く同じではないですが。
試作品2号機
試作品1の「幅が広い」と言う問題を解決するために作ったのがこちら。
紙を挟むバインダー部分を上に持ってきました。
上の画像で、なんか黒い細長いのが付いてますよね。
実はこういうことです。
そう。これはマジックテープで、スマホの裏面にも対となるマジックテープ取り付けておくことで、スマホにメモ帳をを貼り付けておくことが出来ます。
- スマホと一体化させたい
と言う課題に取り組んだ結果です。
メモ帳側のマジックテープがやたら小さいのは、最初スマホ側と同じ大きさのマジックテープを付けたところ、外すのに結構力が必要だったためです。
このくらいの大きさで充分メモ帳とスマホをひっつけておくことが出来ます。
バインダー部が上部の右寄りにしかないのはスマホのカメラを避けるため。
この切り欠きの副次的な効果として、ペンが挟めるようになりました。
これは狙ってやったわけじゃないですが、上部全てがバインダーになっていたらペンが挟めなかったので、偶然ながら良い感じです。
ペンを挟んだら、カメラの邪魔になりますけどね。
問題点としては、スマホとメモ帳をひっつけて手に持った時、紙の縁が指にあたってどうも落ち着かないこと。
紙がぐちゃぐちゃになりそうでちょっと気を使います。
ペンもぐらぐらしてちょっと邪魔。
でもまあまあ気に入ったので、2日間位これを使いました。
試作品3号機
次はリベットではなく、接着で作ってみました。
プラスチックの板を3層に重ね、上と下の板の間に紙を挟めるようにしています。
用紙をセットした状態では紙の縁がカバーされるので、スマホの裏にひっつけても感触が悪くならないかも、という考えからこのようにしました。
でも素材が接着しにくいポリプロピレンということが仇となり、完成直後に壊れてしまいます。
形状を工夫すればもっと頑丈には出来ますが、紙の出し入れがしにくいことが分かったので、速攻でボツにしました。
しかしこの「紙をスライドさせて入れる」という方式でうまいこと出来ないかな?と考えた結果、今回の完成品へとたどり着いたわけです。
完成1分後に壊れた試作品3号の命は無駄じゃなかった。
でもなんか、スマホの裏に付けたい!という思いがなくなってきたので、今の所マジックテープを付けていません。
スマホが持ちにくくなるので、やっぱりやめたほうがいいかもしれない。
まとめ
この記事を書きながら、紙をスライドして差し込めるスマホケースを3Dプリンターで作ったらいいかもしれない、とか思いついてしまいました。
そういうの売ってないのかな?
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