ラーメン屋「四天王」スープがやたら熱かった。理由を科学的に考える。
2019/06/20
この前、家から近いのでちょくちょく行くショッピングモール、「イオンモール伊丹」でラーメンを食べたのですが、これがやたらと熱くて、あやうく火傷するかと思いました。
ちなみに私は、猫は好きですが、特に猫舌というわけではないです。
食べたのはフードコートにある「四天王」というラーメン屋。
チェーン店だと思いますが、詳しくないので、有名なのかどうかもよく知りません。
火傷しそうになったとか言うと、なんだか印象が悪いですが、味はおいしかったですよ。
実際に火傷はしてませんし、冷めたラーメンより、熱々のラーメンのほうが美味しいに決まっています。
食べたのは「豚骨味噌ラーメン」にミニチャーシュー丼のセット。
味噌の他には、豚骨塩、豚骨醤油のラーメンもあります。
スープは結構濃い目の味付けで、はっきり言って私好みです。
濃厚なので、スープを全部飲めと言われたらちょっと苦しくなりそうです。
そもそもスープを全部飲めなんていう人はいませんけど。
逆に全部飲もうとしたら、嫁に白い目で見られてしまいます。
なぜ四天王のラーメンは冷めにくいのか?
スープは濃厚で、若干とろみが付いています。
つまり、粘度の高い液体というわけですね。
粘度の高い液体が冷めにくいという話、なんか聞いたことありますよね。
どろどろしている、「あんかけ」の「あん」が、いつまでたっても熱くて、冷めたと思って油断してたらやけどしそうになる、という話は特に有名です。
四天王のラーメンも、これと同じ原理で冷めにくいというわけではないでしょうか。
「あん」が何故冷めにくいかというと、一言で言うと「粘度が高いので対流しにくい」ということですね。
高温の液体の温度が下がる(外気温に近づく)プロセスは以下の通りです。
外気に触れている表面付近の液体は、外気温との差や、蒸発により気化熱を奪われることにより温度が下がります。
液体の内部よりも表面付近の液体の温度が下がることにより、液体に温度差が生まれ対流がおきます。
すると、表面の低い温度の液体が内部に戻り、内部の温度の高い液体が表面に出てきて、温度が下がる、というプロセスを繰り返します。
もちろん実際は表面と内部の液体が綺麗に入れ替わるわけではなく、交じり合いながら徐々に全体の温度が下がっていきます。
「あん」は粘度が高い(ドロドロしている)ので対流しにくい、つまり表面の温度は下がるが、内部は温度が高いままになります。
対流ある場合は表面の温度が下がっても、すぐに全体が交じり合うので、全体の温度が早く下がります。
温度は高い方から、低い方へ伝わりますが、対流がない場合は液体の熱伝導のみで熱が伝わるため、全体の温度が下がりにくくなります。
四天王のラーメンも、濃厚なスープのお陰で対流しにくく、スープの温度が下がりにくくなっているというわけですね。
ラーメンのスープを早く冷ますには?
スープが熱いのは、大半の人にとっては良いことです。
冷めたら美味しくないですからね。
でも、猫舌で熱いのが食べられない人はどうしましょう?
待っていてもなかなか冷めてくれません。
そういう時に有効なのはやはり、「ふーふーする。」ですね。
というか、ラーメン屋にいてできる事はこれ位しかないですが。
水を入れたら薄くなっちゃいますしね。
ふーふーするときでも、やはり粘度が高くて対流しにくいことが邪魔をしてきます。
表面だけ冷えて、内部はやはり冷めにくいからです。
そういう時に有効な方法は、「箸やレンゲでかき混ぜながらフーフーする」です。
対流しにくいなら、箸やレンゲで強制的な対流を起こしてやればいいわけですね。
まとめ
濃厚なスープと言っても、そこまで粘度が高いわけじゃないので、今回の考察がどこまで当たっているかは分かりません。
単に超熱いスープのラーメンが提供されていた、というだけの話かもしれませんし、器によっても保温性が変わってきたりするでしょう。
でも、こういった身近なところで科学を感じるのも、感慨深いと思いませんか?
「熱い!粘度が高くて対流が抑制されている!」と思いながら麺をすすったりして。
なんだか理屈っぽい気もしますが。