カワハラの、雑多な記録。

【安全?快適?】左足ブレーキを1週間実践してみた結果

   

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私が現在乗っているのはAT(オートマチック)車ですが、普通はアクセルペダルもブレーキペダルも右足で操作します。
以前はMT(マニュアル)車に乗っていたので、左足はクラッチペダルを担当するため、右足でブレーキを操作するのは必然でした。
でも今はMT車に乗る機会すらほとんどありません。

ということは運転中左足は何もせずに遊んでいる状態。
人間にはせっかく足が2本付いてるんだから、左足を遊ばせておくのはもったいない!
という謎の「もったいない精神」が首をもたげ、「左足ブレーキ」に挑戦することにしました。

ちなみに、左足ブレーキを真似して、事故したりぶつけたりしても責任は取れないので私に文句は言わないようお願いします。

カートやF1は左足ブレーキが普通らしい

カートやF1等レーシングな世界では左足ブレーキが標準のようです。
カートは構造上左足でしかブレーキが踏めませんが、現代のF1はクラッチペダルがなくなり、左足でブレーキペダルを踏むほうが合理的になっています。

右足でブレーキもアクセルも操作する場合、ほんの僅かですがペダルの踏み変えの時間が必要になります。
0.1秒を争うレースの世界なのでその僅かな時間さえ惜しいので、左足ブレーキが標準となったみたいですね。

また、一般車の運転と異なり、コーナリング中の姿勢の制御のためにブレーキを掛けつつアクセルも踏むと言う操作をしたり、ますます左足ブレーキの方が有利となるわけです。

今までなんの疑いもなく右足でブレーキペダルを踏んでいましたが、「F1は左足ブレーキ」ということをふと知り、「左足で踏んでも良いんだ」と気づきました。
日常生活にF1の要素を取り入れる必要は別にないんですが、なんか面白そうじゃないですか。

とりあえずやってみることにします。

左足でブレーキって、危なくない?

「左足でブレーキを踏む」なんて一般的な常識からは外れた事をするにあたって、やっぱり問題になるのが「危なくないの?」ということです。

でも、右足だろうが左足だろうが、同じ量ブレーキペダルを踏めば、車は同じように止まります。
なので、同じように左足で踏めるのか?と言うことが問題になりますが、はっきり言って「慣れ」でしかないですね。
MT車では左足はクラッチを繊細に操作するので、右足に比べて左足が不器用ということもないはず。

もし、最初から左足ブレーキで車を運転している人ならなんの問題もないですが、普段右足ブレーキの人がある日突然左足ブレーキを採用することで、踏み間違えたりすると危ないです。

また、右足ブレーキの時は左足はフットレストに乗せて踏ん張ることで体を固定できますが、左足ブレーキの時は体を安定させにくいと言う問題もあります。
さっき「運転中、左足は遊んでる」なんて書きましたが、踏ん張って体を固定するという仕事をしっかりしてますね。
遊んでるなんて言ってすまなかった、左足よ。

レースの世界ではバケットシートにガッチリしたシートベルトにより体が完全にホールドされてるので、左足で踏ん張る必要はありません。

他には、例えば見通しの悪い路地の交差点に侵入するとき、ブレーキペダルを瞬時に踏めるよう左足を待機させておく、と言うケースが考えられます。
左右から自転車や車が近づいているのが分かったらすぐにブレーキを踏めるので、右足をアクセル→ブレーキと踏み変えるよりは早く停まれます。

以上を考えると、左足ブレーキは場合によっては危ないし、場合によっては安全と言えます。
ちょっとした違いなので、好きな方で踏めばいいと思います。

公的には右足ブレーキが推奨されているらしい

日本の政府の方針としては右足ブレーキを推奨しているようです。
左足でクラッチを踏んでいた時代の名残でしょうか。
というか、クラッチのあるMT車は別に滅んだわけではないですけど。

教習所でも右足でブレーキを踏むように指導します。
仮にMT車のときは右足でブレーキを踏んで、AT者の時は左足でブレーキを踏む、みたいに教えるとすると、教える側も大変だし、運転に慣れていない生徒は絶対にパニックです!

結局、左足でフットレストを踏んだほうが体は安定するし、万人向けですね。
別に左足でブレーキを踏むのが違法ってわけではなさそうなので、左足ブレーキを試してみたい人は、自主的に練習して実践すればいいかと思います。

逆に政府が「これからは左足ブレーキを推奨します!」とかいい出しても余計なお世話って感じですよね。

左足ブレーキを1週間試してみた結果

今から左足ブレーキを実践します!と自分の中で宣言したものの、いざ左足でブレーキを踏む時になったらドキドキしました。
いつも右足でやっていることを左足でするだけなのに、なぜかやたら怖い。

力加減が分からず、踏みすぎて車の挙動がぎこちなくなることも。
試すなら車のあまりいない道で試しましょう。
何を思ったのか私は、そこそこ車の多い大阪、中央環状線で左足ブレーキデビューを果たしました。

左足ブレーキで徐々にスピードを落とし、赤信号できちんと止まれた時は謎の達成感がありました。
「ああ、免許取って初めて運転したときも、こんな感じだったかも。」とはるか昔のことを思い出して感慨深いです。

左足ブレーキの難易度はと言うと、別に練習が必要なほど難しいものでもなく、何回か信号で停車してたら慣れてきます。
他の車のドライバーは、まさか私が左足でブレーキを操作しているなんて夢にも思わないでしょう。
知ったところで、「それがどうした?」と思われるだけですが。

で、1週間ほど続けてみましたが普通に運転できるようになりました。
初めに感じた、左足でブレーキを踏むときの謎の恐怖はもうありません。

左足ブレーキのメリット、デメリット

しばらく左足ブレーキを実践して感じたメリットとデメリットをまとめてみます。

メリット

メリットと感じるのは下記2点くらいかな。

  • アクセルペダルからブレーキペダルに踏み変えるタイムラグがない
  • 慣れてない間は安全運転になるかも

アクセルペダルからブレーキペダルに踏み変えるタイムラグがない

まず、ペダル踏みかえのタイムラグがありません。
信号待ちでも、ブレーキを緩めたら即アクセルをふかして発進出来ます。

さっきも書きましたが、見通しの悪い路地で、何かが飛び出してきたらすぐにブレーキを踏める警戒態勢を取ることも出来ます。

駐車の際、ちょっと段差があるとアクセルを踏んで乗り越えないといけないときがありますが、普通はアクセルを踏んで乗り越えたらすぐにブレーキを踏まないと、後ろの壁に当たってしまいます。
左足ブレーキだと、瞬時に制動出来るので安全です。

慣れてない間は安全運転になるかも

慣れないことをすると普段より集中力を使います。
非常に意識してブレーキを操作することになり、結果的に運転も丁寧になります。
まあ、左足ブレーキに慣れてしまったらその集中力もなくなってしまいますが、しばらくの間は安全運転になるんじゃないでしょうか。

結局、ちょっとした操作感の違いよりも、どれだけ意識して運転しているかが安全運転に大きく効いてくると思います。

デメリット

なんか、列挙してみるとデメリットのほうが多いですね。

  • ブレーキを踏んでないときの左足の位置に困る
  • 左足でブレーキを踏んでいる間の右足の位置に困る
  • 踏み間違えそうになる
  • パーキングブレーキが左足で踏むタイプだと困る
  • ブレーキペダルが右寄りにあるので不自然な体勢になる

ブレーキを踏んでないときの左足の位置に困る

デメリットとしてはまず、ブレーキを踏んでないときの左足の置き場所に困ります。
右足をアクセルペダルからブレーキペダルに移動するのが面倒と言う理由で左足ブレーキを実践するのであれば、左足はブレーキペダル上に常に待機しておくのがベストです。

でも、踏みもしないのにブレーキペダルの上に左足をずっと置いとくのも疲れますよね。
うっかり踏んでしまってブレーキランプが灯ってしまうかもしれない。

なので普段は左足をフットレストに置いといて、ブレーキを踏む時にブレーキペダル上に持ってくるのが現実的かと思います。
この時点で「左足ブレーキはペダル踏みかえのタイムラグがない」と言うメリットが薄れてしまいますね。
左足をフットレストからブレーキペダルに移動させるのも、右足をアクセルペダルからブレーキペダルに移動させるのも同じくらい手間ですから。

左足でブレーキを踏んでいる間の右足の位置に困る

逆に、左足でブレーキを踏んで信号待ちをしているとき、右足をどこに置いておくかでまた悩みます。
アクセルペダルの上で待たせるのも居心地悪いし、ちょっと手前に移動させて休ませておくのがベストですかね。

踏み間違えそうになる

「左足ブレーキは踏み間違え事故が減る」と主張する、左足ブレーキ推進派もいらっしゃるようですが、確かに物心ついた時からずっと左足ブレーキだとそうかもしれません。(そんな人はいませんが)
でも我々のようにある日左足ブレーキに移行した層はとっさの時にどっちの足で踏んだらいいか分からなくなる可能性があります。

現に私も左足ブレーキを初めて2日目、駐車のためにバックしていたとき、間違ってアクセルを踏み込んでヒヤッとしたことがありました。
バックする時は、後ろを見ながら、微妙なハンドル操作をしつつ、停車する位置をブレーキで微調整、とすることが多いですよね。
なので、左足でブレーキを操作をしているという意識が薄れてしまい、いつもの癖で右足でブレーキだと思って踏んだペダルがアクセルでした。

パーキングブレーキが左足で踏むタイプだと困る

さらに、無事に駐車出来たとして、左足でブレーキを踏んで停車した状態です。
左足で踏むタイプのパーキングブレーキだと、難儀します。
ブレーキを右足に踏み変えて左足でパーキングブレーキを踏むか、ブレーキペダルから左足を離してすぐパーキングブレーキを踏むかですね。
どっちにしてもあまりスマートじゃないです。

ブレーキペダルが右寄りにあるので不自然な体勢になる

ブレーキペダルの位置は右足で操作するのが前提なため、運転席の中央か、ちょっと右寄りにあると思います。
これを左足で操作しようとすると、下半身が右寄りになって不自然な体勢になってしまうのも不満。

左足で踏むタイプのパーキングブレーキやブレーキペダルの位置など、左足ブレーキを快適にしようとすると車の構造から変えないといけないと思います。

まとめ 日常の運転を左足ブレーキにする必要はない

実際にやってみてメリットとデメリットを考えると、日常的な運転に左足ブレーキを取り入れてもそんなに快適にならないということが分かりました。
やっぱり左足ブレーキは早く走るためのテクニックでした。

落とし所としては、何が飛び出してくるか分からない路地とかを通るときに限り左足をブレーキペダルの上で待機させておく、と言う使い方でしょうか。
他にはすごい急な坂(立体駐車場とか)で停まって再発車時、AT車でもブレーキを緩めたら後ろに下がってしまう状況では左足ブレーキが使えます。

常に左足ブレーキじゃなく、ここぞという時に使うとちょっと便利かもしれませんね。
運転に飽きたときの気分転換にもなります。

日常的に使わないにしても、左足でブレーキを操作できるようになっていて損はないので、興味のある方は練習してみてください。
くれぐれも事故には気をつけて。

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