自転車(クロスバイク)のチェーンカバーを3Dプリンターで自作した
クロスバイクなどのスポーツタイプの自転車に乗っていると、避けては通れないのがズボンの裾対策。
ママチャリやシティサイクルはチェーンカバーがあり、チェーンやスプロケットが露出してないので問題ありませんが、クロスバイクはむき出しになってて、ズボンの裾が触れると汚れてしまいます。
個人的な話ですが、11月より通勤に駅まで自転車となり、スーツの裾が汚れるのはこまるな、と思っていました。
じゃあ、チェーンカバー(チェンガード)を3Dプリンタで作ろうと思い立ち、やってみました。
この記事の目次
スポーツタイプの自転車はズボンの裾が汚れる
11月に転職し、今まで車だったのが電車通勤になり、駅まで自転車で行くことになりました。
前はジーパンにTシャツみたいな格好で車通勤だったのが、スーツで自転車&電車になったのでえらい違いです。
使用する自転車はGIANTというメーカーのCROSS3というクロスバイク。
ちょっとしたスポーツタイプの自転車ですが、スポーツバイクには珍しく泥除けが付いててママチャリ寄りな異色の存在。
でもママチャリみたいな完璧なチェーンカバーはついてなく、ズボンの裾をヒラヒラさせながら乗ってたら汚れる可能性があります。
と言うか、実際に汚れたこともあります。
一応スプロケットには黒いカバーが付いてて、完全にむき出しよりはちょっとマシにはなってますが。
一般的な対策の裾バンドは面倒くさい
対策として一般的なのは、裾バンドをズボンに巻きつけることです。
裾バンドとは、ズボンの裾に巻いてマジックテープなどで固定するベルトみたいなもので、100円ショップでも売られています。
裾をヒラヒラさせないことにより、チェーンやスプロケットと接触しなくなり、汚れを防止するというものです。
私も裾バンドを使っていた時期もありますが、駅までの自転車は毎日乗るし、乗ってる時間も10分位と短いので、そのために裾バンドを付けたり外したりするのは正直面倒くさいですね。
裾バンドを忘れる可能性もありますし、外した裾バンドをどこかに入れるかも考えないといけません。
裾が巻き込まれたら汚れだけじゃなくズボンが破れるかも
スーツではなくジーパンですが、私も実際に汚れがついてしまったこともあります。
自転車のチェーンの油が付いたズボンを洗濯しても汚れは完全に落ちないと思ったほうがいいですね。
チェーンやスプロケットが少しずつ摩耗した微粒子が含まれているので、油も真っ黒になりがちです。
ズボンとチェーンが触れてちょっと汚れるだけならまだしも、チェーンとスプロケットの間に巻き込まれたりしたらズボンに穴が空いたり、最悪転倒して怪我したりするかもしれません。
これは、早急になんとかしないといけませんね!
3Dプリンタでチェーンカバーの自作を決意する
ないものは作ろう!ということで、3Dプリンタでチェーンカバーを作ることに決めました。
まずはデータの作成が必要です。
FUSION360と言う、個人の趣味ならば無料で使える3DCADを使い設計しました。
設計のためにまずは、自転車の必要な寸法を測定します。
チェーンカバーの取り付けに利用するシートチューブの直径、スプロケットの直径やシートチューブからの距離、変速機の寸法を測り、モデリングしたのが次の画像。
かなりざっくりしてますが、チェーンカバーの設計にはこれだけで十分です。
シートチューブの角度はメーカーのWebサイトにフレームの寸法(ジオメトリ)が記載されてたので、それを参考に74.5度にしました。
変速機に干渉せず、手持ちの3Dプリンターで出力出来るサイズに収まるよう注意しながらカバーを設計、それに合わせて自転車に取り付けるためのブラケットを設計したのがこちら。
見やすくするために、自転車とプリントするパーツの色を変えたかったんですがやり方が分からなかったのですぐに諦めました。
もうちょっと格好良く出来そうな気がしますが、その辺のセンスがないのと、すぐに不都合が出てきて作り直すことになるだろう、ということで第一弾はこれでOKとします。
(そして結局作り直してないです。)
カバーの取り付け位置や角度はある程度調整出来るよう配慮して設計しています。
設計ができたら3Dプリンタで出力
そして、どこのご家庭にもある3Dプリンタ・Ender3で出力します。
プリントが難しい形状ではないので、一発OKでした。
もちろんネジとナットは購入します。
鉄製だとすぐに錆びてくるので、奮発してステンレス製のをホームセンターで買いました。
造形物の六角穴にナットを入れます。
カバーにもナットを入れる。
六角穴を長穴にして、取り付け位置を調整出来るようにしています。
自転車に自作チェーンカバーを取り付けて完成
完成!思ったよりごつい。
特に自転車に取り付けるブラケットが。
強度がどんなもんか心配だったので、割とガッチリとしたものを設計しましたが、ちょっとガッチリしすぎたかもしれません。
おかげで、自作チェーンカバーがぶらぶらすることもなく、しっかりと固定されているので、結果的に良かったということにします。
でももうちょっとスリムにしても役目は果たせそうです。
肝心の使い勝手ですが、とても良いです。
カバーがズボンに引っかかることもなく、もちろんズボンが汚れることもないです。
すでに1ヶ月以上使ってますが、カバーがずれてきてスプロケットに当たったりとかの事故はまだ起こってません。
「すぐに作り直すんだろうな」と言う予想に反し、思った以上にしっかり固定されているので「もうこのままで良いかな」になってきています。
唯一のデメリットは見た目がダサいこと
軽快さが売りのスポーツバイクにチェーンカバーを付けるのが正しいとも思えませんし、チェーンカバーなんて付いてないほうが見た目もカッコいいのは確かですが、私は便利さのためには多少ダサくなるのもいとわない男です。
と言うか、すでに取り付けていた後ろカゴがダサすぎてチェーンカバーのダサさはあまり目立たないですが。
GIANT・CROSS3はもともと立派な泥除けが付いてたりして、スポーツバイクとしてはかなり異質なママチャリ寄りの存在です。
だから後かごを付けたり、チェーンカバーを付けたりしてもいいんだ、と自分の中で納得することにします。
さあ今すぐチェーンカバーをプリンティング!
というわけで、大事なズボンに落ちない汚れがついてしまう前に、スポーツバイク乗りは急いでチェーンカバーを3Dプリンティングしましょう!
早くしないとスーツのズボンに穴が空いてしまうかもしれませんよ!
ちなみに後付けのチェーンカバーには市販品もあるようです。
もちろん私が作ったチェーンカバーのほうが、自転車に合わせて作ったセルフオーダーメイドなので高性能ですが(そう信じたい)、「作るのがめんどくさい」、「そもそも3Dプリンタをもってない」と言う人は市販品を買っちゃったほうが早いですね。