四角い基本パーツ以外は邪道?伊集院光氏のレゴ感に違和感を感じる
2017/05/09
タレントの伊集院光氏が自信のラジオ番組で「四角等の基本ブロック以外の、特殊形状のレゴは邪道」とも受け取れる発言をしていました。
それはちょっと違うんじゃないのかな、と感じたので私の思ったことを書いてみます。
もちろん人それぞれレゴに求めるものがあると思いますので、伊集院氏がどういう考えを持っていてもいいんですが。
ラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」での発言
問題の2017年4月3日放送のラジオ番組ですが、実は私は聞いていません。
そのラジオ番組をまとめたブログの記事を見ただけです。
なので、伊集院氏の発言の細かいニュアンスが分からないので、もしかしたらラジオを聞いた人は私と違う感じ方をした人もいるかもしれないことをご了承ください。
では早速伊集院氏の発言を見てみましょう。
レゴに関する違和感ってさ、ある時期から、今、スター・ウォーズのレゴとかさ、バットマンのレゴとかあるじゃん。ああいうさ、組み上がってる、専用のやつじゃん。バットマンのレゴなんてもうバットマンの人形作っちゃってたら、もうダメじゃね?
友達が宇宙船のレゴみたいなのを買ってもらって。俺はもう、レゴに関しては、この街一番のレゴ持ちだと思ってて。一緒にレゴ作ってた友達が、急に「宇宙探検シリーズ」みたいなのを買ってもらって、俺が気に入らなかったのは、まずゴムのキャタピラみたいなのをつけていいっていうのと、あとはパラボラアンテナみたいなのと、宇宙服みたいなレゴがあるわけ。
それあったら、もうダメだよね、レゴって。それなしじゃん、みたいなことになったのが、最初の俺のレゴに対する違和感で。レゴって、そういうもんじゃないよね。
出典:伊集院光、レゴランドのゴーカートなどが「ブロックそのまま」なことに違和感「頭の中ではリアルに動いてるのがレゴ」
いきなりスター・ウォーズとかバットマンのレゴを否定しちゃってます!
「組み上がってる、専用のやつじゃん」
ってどういうことなんでしょうかね?
スターウォーズのXウィングのキットとかのことを言ってるんでしょうか。
確かにチューバッカのミニフィグがあったりして、それはまあ専用とも言えますね。
チューバッカ以外の何者でもないですから。
でもXウィングとかは、組み立てるために使用するパーツを一つ一つ見てみれば、大部分は普通のレゴのパーツです。
別に「Xウィング専用」というわけでもなく、他の作品を作るときにいくらでも流用出来ます。
時折、そのキットにしか入っていない特殊パーツもありますが、それを他にどんな使い方が出来るか考えるのもまた、楽しみの一つかと思います。
更に伊集院氏はこう続けます。
だからあくまで、ただただ長四角のレゴが5個くらいの塊だけども、俺の中でスーパーカーになってる。超リアルなスーパーカーです。その証拠に、スーパーカーに近づけるため、なるべく赤のレゴを使って、並べてコクピット部分だけクリアな透明のレゴをくっつけて、「これはフェラーリ512ベレルネッタボクサーです」って。「超リアルなやつですから。何の問題もないですから」って思ってるわけ。
それをさ、なんかさ、レゴランドのゴーカートって、その雑なレゴで作った車を巨大にしたゴーカート、みたいな。それ、違くない?
子供時代にゴムのキャタピラみたいなのとかパラボラアンテナみたいなのとか、宇宙服みたいなのとか、特殊な形状のパーツは好きじゃなく長四角等のレゴの基本パーツを5個位くっつけたものを好んでいたとのこと。
粗い造形は創造力で補うと言うのは素晴らしいと思います。
でも、特殊形状のパーツをそこまで否定しなくてもいいんじゃない?
パラボラアンテナみたいなパーツも、パラボラアンテナとしても使えるし、全く別のものに見立てて遊ぶことも出来るはずです。
そのパーツをパラボラアンテナとしてしか使わないというのはなんかもったいない!
長四角5個で作った車を頭のなかでリアルなスーパーカーに変換できるほどの想像力を持っていた少年なんだから、パラボラっぽいパーツもキャタピラも、ぜんぜん違うものとして使う工夫は出来そうなもんですが。
同じパーツでも使い方によってぜんぜん違うものに見える例としてはこんなものがあります。
車のドアの取手になる。
伊集院氏に言わせてみれば、「スケートの形してるレゴなんて、それ、違くない?」と言ったところでしょうけど、使い方によってはスケートにもドアの取手にもなるので、こういうパーツも許してやってもらえませんか?
レゴランドの「レゴで作った車を巨大にしたゴーカート」について
上の引用文ではいきなりレゴランドの話が出てきたように見えますが、そもそも名古屋にオープンしたレゴランドについての話題から話が膨らんでいたんです。
で、伊集院氏が言うゴーカートというのがこちら。
出典:https://www.legoland.jp/
レゴで作った車の形をそのままに、人が乗れる大きさにしたデザインです。
これについて「それ、違くない?」と全否定しているわけですが、これ否定しますか?
じゃあ、普通の車の形のゴーカートにすればよかったのかな?
でもそれって「レゴランド」でもなんでもなくなってしまいますよね。
うーん。どうすれば良いんだろう。
この辺は、ラジオを実際に聞いてないので真意は分かりません。
でもこの、「レゴで作った小さいモデルの形をそのまま大きくしたものをレゴで製作する」という手法は結構見かける気がします。
(レゴランドのゴーカートの話とはまたちょっと意味が違ってきますが。
あのゴーカートは別にレゴで出来ているわけじゃないので。)
例えばこの実物大のXウィング。
出典:世界最大のLEGO:スター・ウォーズ戦闘機の「実物大モデル」
533万5,200個のブロックから作られているそうですが、よく見てください。
レゴ好きなら分かりますが、なんか見たことのあるレゴのパーツが巨大化してるように見えます。
そう、これは「Xウィングを実物大でレゴで再現する」のではなく、実際に発売されているレゴのキット「#9493 Xウィング」を実物大で再現すると言うコンセプトなんです。
レゴ (LEGO) スター・ウォーズ X-ウイング・ファイター(TM) レッド中隊機 9493
よく見ると実物大の方にはレゴのポッチまで巨大化されて再現されていますね。
どうせ実物大で作るなら、Xウィングを本気で再現して死ぬほどリアルなのを作ってもらいたいと思うんですが…
他にも私が時々行くトイザらスには、基本ブロックを積み上げてミニフィグを等身大で再現したモデルが置いてあったりします。
レゴの形状をそのまま大きくしたやつを作るってのは、割とよくある方法というわけです。
この手のレゴは「積分系」とか呼ばれることもあり、基本的に四角い基本パーツのみで作られています。
特殊形状パーツは使わないので、伊集院氏もこういうのは好意的に見てもらえるかな?
キットをそのまま組み立てるだけの人が大多数らしい
また伊集院氏の話に戻りますが
スター・ウォーズのレゴとかさ、バットマンのレゴとかあるじゃん。ああいうさ、組み上がってる、専用のやつじゃん。
の発言の裏にはこのような現実があります。
以下、とあるブログ記事から引用しました。
1年ほど前に読んだ「LEGO Mindstorms NXT の前途は明るいか?」というエントリによると、ほとんどの人はセットに入っている図面のとおりに組み立てて喜ぶだけなのだそうです。これは思い当たるところがありました。以前から、色々なシリーズものはありましたが、汎用的に使えるものが多かったのに対して、このところは BIONICLE のような独自キャラクタ、あるいはスターウォーズやスポンジボブなど人気キャラクタを使ったものなどが、かなり増えているように見えます。
要するに図面どおり組み立てる受身の遊び方しかしていない人が増えており、レゴ社もそれに呼応するような路線をたどってきているということのようです。まさにプラモデル化してきているわけですが、
出典:プラモデル化するレゴ
この記事が書かれたのは10年以上前ですが、(つまり10年以上前から言われているということです)レゴで遊ぶ人はキットをその通り組み立てるだけで終わっていて、それほどクリエイティブじゃないってことみたいです。
伊集院氏の「組み上がってる、専用のやつじゃん。」発言はこういうことを言っているんでしょう。
レゴスターウォーズのXウィングを買ったら、Xウィングを作って、飾って、終わり。
ばらして他のものを作ったりはしない。
そういう人がほとんど。
私の推測ですが、伊集院氏が多く触れてきたレゴは、かつての赤いバケツや青いバケツみたいな基本セット的なやつじゃないかと思います。
今で言う「レゴクラシック」みたいな。
ああ言うのは、簡単な作例のマニュアルは入っていても、Xウィングみたいに何か一つのものを作るのが目的じゃなく、自由に好きなものを作って楽しむものです。
伊集院氏は、「Xウィング」を作れ!と押し付けられるのではなく、何を作るかは自分で決める!そう言いたいのかもしれません。
そういう考え方であれば賛同できます。
まとめ
レゴは四角い基本パーツ以外の特殊形状パーツもうまく使うことで、表現の幅がぐっと広がります。
スター・ウォーズとかバットマンとかのキットも、あまり毛嫌いせずに楽しんで頂ければと思います。