カワハラの、雑多な記録。

イルカ追い込み漁は残酷?かわいそう?なぜ海外諸国は反発するのか。

      2019/06/20

世界動物園水族館協会(WAZA)が日本動物園水族館協会(JAZA)に対し、イルカの追い込み漁で捕獲したイルカを、水族館の展示に使うのをやめるように通告したという今回の事件、従わなければ除名される可能性が高いため、JAZAが受け入れました。
各地の動物園にしてみれば、JAZAがWAZAに残ったことで、希少な動物の入手ルートが途絶えなかったので、ホッとしていることでしょう。
イルカのいる水族館にしてみれば、イルカの入手ルートが減ることによる問題がありますが、各水族館にはJAZAから脱退して、従来通り追い込み漁によって捕獲したイルカを得るという方法も残されています。
WAZAの勧告にJAZAが従ったのも、まあ仕方がないかなとは思います。

今回のJAZAの判断で、イルカの追い込み漁そのものが禁止に追い込まれると言うものではないですが、イルカを保護しようとする動物愛護団体は、これを足がかりに、追い込み漁をやめさせるように活動を激化させるでしょうね。

WAZAは追い込み漁が残酷だからやめるようにと主張しているようですが、そんなに残酷なのでしょうか?

なぜこのニュースの関心が高い?

この話題、結構大きなニュースになっています。
なんでこんなに話題になっているんでしょうか?みんな、そんなにイルカが大好きなんでしょうか?

日本人でも、イルカ漁に賛成の人、反対の人いろいろいるかと思います。
しかし、日本の伝統のイルカ追い込み漁に対して、外国からやいやい言われている状況に、ニュースを見て軽く怒りを感じませんでしたか?
日本の捕鯨に海外から反発から集まっている件もそうですが、こういうニュースを聞くとつい感情的になってしまいます。
多くの日本人は日本の文化に対し、海外からとやかく言われるのが気に入らないと思っているのではないでしょうか。

実際、日常的にイルカの肉を食べている人って、そんなにいますか?
私はないです。
一部の地域では普通に食べるのかもしれませんが、全国的に見て食べたことないという人が、大半だと思います。
イルカや鯨の肉が食べられなくなっても、実質的には困らないけど、やいやい言われているという状況そのものが気に入らない。
そのような理由で、このニュースの関心が高いのではないでしょうか。

イルカの追い込み漁は残酷なのか?

WAZAはとにかく追い込み漁が残酷だからやめろと主張しているようですが、そんなに残酷なのでしょうか。

参考記事 イルカ追い込み漁とは…大きな群れ狙わず、希望数以外は放流

上の記事で、追い込み漁を説明した図があるので分かりやすいです。

和歌山県太地町では、飼育用と食肉用に分けて漁を行っています。
食肉用の漁は結果的にイルカは死ぬことになるのだから、多少は残酷なことをしてしまうのは仕方ないでしょう。
海が血に染まるようなこともあるかもしれません。

しかし、飼育用の漁は、イルカを傷つけないように行うので、そんなに残酷ではないように思います。
なにがどのように残酷なのかという問に対して、WAZAからは回答がないようです。

イルカは群れで暮らしていて、その群れの家族から無理やり引き離すような行為そのものが残酷と捉えることも出来ますが。

ちなみに日本では、
2010年 6,577頭
2011年 3,283頭
のイルカを捕獲したそうです。
思ったより多いですね。

イルカやクジラはダメだけど、魚を捕ったり、家畜を食べるのはいいの?

イルカを捕って食べたらいけない根拠を考えてみます。

  1. イルカは我々人類と同じ哺乳類で、高等な野生生物だから獲ったらいけない。
  2. 高等な哺乳類である牛や豚は、食べられているものの多くは、人間が食べるために育てている家畜なので問題ない。
  3. 魚は、哺乳類ではないし、イルカのように高等な知能を持っていないので食べていい。
  4. イルカを捕りすぎると絶滅する?

イルカやクジラの保護を訴える活動家の言い分は、こんなところじゃないでしょうか。

1 哺乳類である牛や豚は普通に食べられているので、この理由はちょっと弱いですね。

2 家畜を食べていい根拠がまずよく分からない。
野生の生物は食べたらダメで、人間が育てた牛なら食べていいんでしょうか。

3 魚が高等な知能を持っていないと言うのも、高等かどうかを勝手に人間が判断しているので、それも根拠がよくわからないですね。
しかも養殖ではない魚は、もろに野生生物です。

人類の過去の歴史において当たり前だった、野生生物を狩猟して食べるという文化自体が衰退しているんですかね。
そのような行為は、野蛮で避けるべきこと、と考えているのかもしれません。

イノシシ、シカ、ウサギなどの野生の哺乳類を狩猟して食べることはどうでしょう?
イノシシ猟なんて、実際に行われているわけですが、海外から避難されているという話は聞かないですね。
イルカは、外国と繋がっている海に生息しているわけですから、日本だけがイルカを取って数を減少させられたらたまらない、と考えているのかもしれません。(実際は日本だけがイルカ漁を行っているわけではないです)

4 乱獲により、絶滅の危機にひんしているというのならともかく、日本で捕獲しているイルカは絶滅危惧種に指定されているものはいません。

考えてみると、イルカを取ってはいけないという根拠が全然分からないですね。

海外が反発している理由

イルカやクジラを食べてはいけない根拠はイマイチ分かりませんでしたが、外国諸国が反発する理由を考えてみました。

1 イルカは可愛いから殺すのはかわいそう

クジラは、かわいいイルカの仲間だから。
結局、可愛いイルカを殺したらかわいそうだってだけの理由で反発してるのに、種の保存とか、環境への影響がどうとか、後付で理屈を付けようとしているから、なんだか筋が通っていないと感じるような気がします。

2 政治家の人気取りや、活動家の資金集めのため

可愛いイルカを保護しよう!と掲げれば、一般人の受けがいいですよね。
政治家の人気取りや、活動家の資金集めに都合が良いんじゃないでしょうか。

3 そもそも日本が嫌い

反捕鯨にかこつけて、日本の邪魔をしたいだけじゃないの?

まとめ

結局、考えても調べても私が納得できる答えが見つかりませんでした。

私個人的には、イルカ漁や捕鯨に関して、賛成でも反対でもないですが、海外の過激な環境保護団体は、なんか胡散臭いと思います。

和歌山県太地町のイルカの追い込み漁を題材にしたドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」と言うのがあるそうです。
これはもう、完全にイルカ漁を反対する立場から製作された作品であり、イルカ追い込み漁の残酷さを特に強調するように編集されているみたいですね。見ていないので詳しくは知りませんけど。
見てしまったら、「イルカがかわいそう!」とか思ってしまうかもしれません。

逆に、牛や豚を解体する現場を取材したドキュメンタリー映画も作るべきだと思います。
きっと、多くの人にとってショッキングな映像の連続になるんじゃないですかね。
イルカを日常的に食べる人はそんなにいないと思いますが、牛や豚は多くの人が日常的に食べるものなので、イルカのドキュメンタリー映画より、よっぽど意義のあるものじゃないでしょうか。

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