インクジェット方式3Dプリンターの材料費は?ランニングコストも結構かかります。
インクジェット方式の3Dプリンターの購入を検討している場合、ランニングコストがどれくらいかかるかも気になりますよね。
今回はこの辺のことをまとめてみます。
会社が3Dプリンターを購入することになり、機種選定を任されたんですが、500万円前後の機種3つを比較しました。
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メーカー、機種名は下記のものになります。
- ストラタシス、Objet30 pro
- キーエンス、AGILISTA-3200
- 3D Systems、Projet MJP 2500plus
造形材料となる樹脂の価格はどれくらい?
3Dプリンターを使えば使うほど発生する費用と言えば、「材料費」ですよね。
材料となる樹脂の価格は、ランニングコストに直結します。
車で言うとガソリン代みたいなもんです。
走れば走るほどお金がかかる。
でも、インクジェット3Dプリンタの樹脂はメーカー純正しか使用できないため、ガソリンみたいに安いスタンドを探す、みたいなことは出来ません。
今回の3機種の樹脂材料の価格は以下のようになっています。
機種名 | 樹脂名 | 価格 | 1gあたり単価 |
---|---|---|---|
AGILISTA-3200 | モデル材(AR-M2)(1.25kg×2) | 104000 | 41.6 |
サポート材(AR-S2)(1.25kg×2) | 96000 | 38.4 | |
Objet 30pro | FullCure810 VeroClear(1kg×2) | 128000 | 64 |
サポート材(1kg×2) | 76000 | 38 | |
Projet MJP 2500plus | VISIJET M2 RCL Clear(1.5kg) | 59000 | 39.3 |
VISIJET M2 RBK Black(1.5kg) | 59000 | 39.3 | |
VISIJET M2 RWT White(1.5kg) | 59000 | 39.3 | |
VISIJET M2 EBK Black(1.5kg) | 59000 | 39.3 | |
VISIJET M2 ENT Natural(1.5kg) | 59000 | 39.3 | |
VISIJET M2 SUP サポート材(1.5kg) | 59000 | 39.3 |
こうしてみると、ストラタシスのObjet 30proはサポート材は安いですが、肝心のモデル材がちょっと高いですね。
他の機種の1.5倍以上します。
本体価格は他より安いですが、材料で儲けているんでしょうか?
そうだとしたら本当に紙のプリンタみたいなビジネスモデルですね。
結構高い保守料
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インクジェット方式の3Dプリンター購入にかかる費用
こちらの記事でも書きましたが、保守料も毎年かかります。
そのお値段がこちら。
メーカー | 機種名 | 保守料 |
---|---|---|
ストラタシス | Objet30 pro | 75万円 |
キーエンス | AGILISTA-3200 | 75万円 |
3D Systems | Projet MJP 2500plus | 95万円 |
保守契約を結ばないという選択肢もありますが、よっぽど3Dプリンターの扱いに熟練している人じゃないと不安ですよね。
なので、普通は保守に入るんじゃないでしょうか。
ちなみにヘッドの交換費用は上の保守の内容に含まれません。
キーエンスの年間150万円の保守契約ならヘッド交換費用が含まれます。
3D Systemsはこれと別に44万円払えばヘッド交換してもらえる保守契約を結ぶことが出来ます。
設置する部屋にはエアコンが必須!
材料費や保守料に比べたら、それほど大きな出費ではないですが、3Dプリンタを稼働させる時の、部屋の温度も重要です。
あまりにも暑すぎたり寒すぎたりすると、プリントに失敗することがあるので、部屋にエアコンが必須です。
このエアコンの電気代も必要になってきます。
もちろん3Dプリンターを動かすための電気代も。
これは、たいしたことないと思いますけど。
3Dプリンターが動いているときは、そんなに爆音じゃないですが、多少の音がします。
デスクの横に置いといたりすると、ちょっとうるさいかもしれませんので、3Dプリンター用の部屋を用意できればいいですね。
紫外線で樹脂を硬化させる過程で、臭いも若干出るので、気になる場合は換気設備があったほうがいいでしょう。
廃液の処理にも費用が必要
インクジェット方式の3Dプリンターは、出力するときに若干の廃液が出ます。
樹脂材料をヘッドから噴射し、その上をローラーでならしてから紫外線で硬化させるんですが、そのローラーに付着する樹脂材料が廃液となるんです。
その廃液は本体内の廃液タンクに溜まっていくんですが、廃液を産廃業者に引き渡す時もやっぱりお金がかかります。
まあ、そんな大した金額じゃないですが。
また、樹脂材料の廃液が発生するということは、例えば材料が1kgあっても、1kg分の造形物は出来ないということになります。
どの程度の割合かは分かりませんが、いくらかは捨ててしまうってことですね。
もったいない。
各機種の樹脂材料のどれだけが廃液になるかが分からない以上、単純な樹脂価格だけでランニングコストが比較しにくいということでもあります。
樹脂が安くても、廃液として大量に捨ててしまったら意味ないですからね。
まあ、そんな無駄に捨てるようなことはしないはずですが。
樹脂の交換時に、結構な量の材料を消費する
各3Dプリンターは複数の種類の樹脂を使用できます。
しかし、その樹脂の交換で結構な量の樹脂を消費するようです。
元は液体状の樹脂なので、カートリッジからチューブとかで吸い上げられてヘッドに送られていると思います。
そのチューブなどの経路に樹脂が残っているので、違う樹脂に交換した場合は、その樹脂を消費して前の樹脂を押し出して捨てないといけません。
そうしないと、造形中に混ざってしまうので。
その作業で価格にして1万円とかそれ以上捨てなければいけないこともあるとか。
貧乏性の私としては、それはもったいない!と感じてしまいます。
Objet30 proは使える樹脂の種類が多いですが、この機種を実際に使うことになったとしても、もったいないので樹脂をなるべく交換せずに運用する予感がします。
まとめ
というわけで、色々合わせるとインクジェット方式の3Dプリンターを運用するために、年間で100万円以上は必要になるんじゃないでしょうか。
樹脂代が高くてもったいないから、なるべく使う頻度を抑えて…
なんてやってたら、3Dプリンタを買った意味が無いから余計にもったいないですが、湯水のごとく樹脂を使うわけにもいきませんし…
悩みますね。
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