カワハラの、雑多な記録。

左利きが使うボールペンは加圧式に限る。

      2022/03/20

この前の記事でも、左利きの人間はボールペンが使いにくいと触れましたが、世界の人口の9割を占める、右利きの人はこの事実を知っているんでしょうか?

特にゲルインクのボールペンなんかは、この傾向が顕著で、書いてたらすぐにインクが出なくなるのでイライラします。
でも最近、三菱鉛筆のパワータンクというボールペンを買って、使い心地がたいそう気に入ったので、このペンについていろいろ思ったことを書いてみます。

なぜインクが出なくなる?

右手でペンを持つのと、左手でペンを持つのでは、ペンが傾く向きが違いますよね。
右手で持つと、自分から見て右に傾いていて、左手で持つと左に傾きます。
でも、文字を書くときの一画一画は、利き手にかかわらず通常は左から右、上から下に書きます。
この左から右に書くのが問題となります。
右手で持つと、右に傾いたペンを「引く」動作になりますが、
左手で持つと、左に傾いたペンを「押す」動作になります。

ボールペンはその名の通り、先端にボールがあって、ボールとボールを支える部分の隙間からインクが出てくるんですが、この「押す」動作はインクが出てくるのを邪魔します。
押してるので、ボールの回転を阻害してるんですね。
ボールが回転しないと、インクも出ません。
左利きの人間は書いているうちに、なんかインクが出なくなり、いらない紙や空きスペースにグチャグチャと殴り書きしてインクが出る状態に戻さないといけません。
特に安物のボールペンなんか、ボールの回転が良くないのか、すぐに使い物にならなくなります。

また、ボールを押しながら書くことで、インクが出る経路が狭くなりインクが出なくなるのかなと思いました。


これが右手で「引いて書く」時のボール回りの断面図。
全く問題ありません。
黒丸がボール、灰色がボールを保持するとこ、赤がインクだと思ってください。

こちらは左手で「押して書く」時のボール回りの断面図。
押すことで、インクが出る経路をボールが塞いでしまって、インクが出にくくなるんじゃないでしょうか?
これは私の想像なので、実際のところはどうなのか分かりませんけど。

おすすめのボールペンuni(三菱鉛筆) POWER TANK(パワータンク)

普通のボールペンはペン先から空気が入ってしまうと書けなくなってしまいます。
ボールペンに空気が入ると言われてもいまいちピンときませんが、上向きでボールペンを使うとペン先から空気が入ると言われています。
上向きに使う機会なんてそうそうないよと思いましたが、壁のカレンダーに書き込む時、ペン先は上の方を向いていますね。

この問題を解決したのが「加圧式ボールペン」です。
インクのタンクが圧縮空気により加圧されているため、ペン先から空気が入って書けなくなることがありません。

調べてみると、左利きにはパワータンクをおすすめしているWEBサイトが多いですが、ちょっと疑問が。

左手でボールペンを使うとき、別にペン先が上を向いているわけではないので、空気が入って書けなくなる問題とは直接関係はないと思います。

でもパワータンクの秘密は加圧式と言うだけじゃないんです!

メーカーのWEBサイトを見てみるとこんな記述が。
「スパイクボールが、筆記をさらに快適に。」
どうも、ペン先のボールにミクロの突起があり、この突起が紙にがっちり食らいついて、ボールがしっかりと回るらしいです。
つまり、左手で書く時に普通のボールペンでは、ボールが押されて回転しづらいところ、パワータンクでは突起によりしっかりと回転する、ということではないでしょうか。
ボールが回転せずに紙の上を滑ってしまうと、インクが出なくなり、書けなくなります。スパイクボールにより、滑らずに回転すると、ちゃんと書けます。

「加圧式が最高!」というふうにまとめようと書き始めましたが、加圧式よりもこのスパイクボールが偉いような気がしてきました。
実際のところはよく分かりませんが、どっちにしてもパワータンクに満足しているので、今後も使い続けると思います。

その後、コメントにて教えてもらったんですが、太さ0.5mmのパワータンクにはスパイクボールは搭載されてないことが判明しました。
(メーカーWEBサイトにしっかり書かれています)
スパイクボールのない0.5のパワータンクでもその信頼感は変わらないので、「なんか理屈はよく分からんけどパワータンクなら大丈夫だ」という事で。

加圧式のボールペンが生まれた経緯

この加圧式のパワータンクですが、加圧式のボールペンが三菱鉛筆の専売特許というわけではもちろんありません。
最初に加圧式を開発したのは、ポール・フィッシャーさん。
無重力空間でも使用できる加圧式のボールペン、スペースペンを開発しました。
無重力空間でボールペンが使用できないことに気付いていたNASAに「こんなん出来ましたけど」と持ちかけ、採用。
アポロ計画にも使われたそうです。
NASAはそれまで鉛筆を使っていたらしいです。

フィッシャーのボールペンは3000円以上する。高いです。

パワータンクは200円くらい。お手頃。

三菱鉛筆以外の加圧式ボールペンは
トンボ エアプレス
パイロット ダウンフォース
などがあります。

これらはパワータンクとは違ったコンセプトの商品で、ノックする度に内部のピストンで加圧します。
パワータンクは、替芯の内部がすでに加圧されている専用のもので、使い勝手は通常のボールペンと同じです。
本体価格はパワータンクが安いですが、替芯はエアプレス、ダウンフォースのほうが安いです。
エアプレス、ダウンフォースの替芯がなんで安いかというと、普通のボールペンの替芯だからです。
ノックにより、ペン内を加圧する構造のため、普通の替芯が使えるというわけですね。

ボールペン以外の筆記具について

パワータンクを使うまで、一番信頼性の高い筆記具はやっぱり鉛筆だと思っていました。
ボールペンはインクが出なくなるし、シャープペンは芯が折れたりするし、マジックはインクが切れるし、書きたい時に書けない!ということが結構あります。
でも鉛筆は芯の状態が見たらすぐに分かるので、折れてなければ絶対に書けます。

会社のデスクには鉛筆を常備していて、基本的に鉛筆を使いますが、それ以外の場所ではちょっと問題があります。

私はメモをとる時、A4の用紙を折りたたんでポケットに入れておき、必要なときに取り出して書くというスタイルを取っています。
記事冒頭の写真に写っているのがそれです。
手帳は、なんか開くのが面倒くさくてメモを取らなくなってしまうんですよね。
しかも、買った手帳だと、なんか綺麗に書かないと勿体無いとかいう意識が働くのか、あまり使わなくなります。貧乏性です。
A4用紙は、使用済みのコピー用紙の裏なので、いくら書いてももったいなくないし、いくらでも補充ができるので、メモに最適です。
メモする面が常に表になるように折りたたむので、これ以上素早くメモする方法はないんじゃないかと思っています。

このA4メモにも鉛筆で書ければいいんですが、用紙はポケットに入れておくので、鉛筆で書くと擦れて汚れたり、文字が薄くなったりしてしまいます。
鉛筆のキャップを外すのも面倒なので、片手で操作できるノック式のボールペンという選択肢しかないのですが、普通のボールペンだとやっぱりインクが出なくなってイライラしてしまいます。

まとめ

そこに救世主のように登場したのがこのパワータンク。
存在は知っていましたが、今回思い立って買ってみたら、すごくいいですね。
インクが出なくてイライラが、今のところ一回もないです。
もっと早く使い続ければよかったです。

緑の本体のちょっとかっこいいのもあります。

[追記]
パワータンク以外のボールペンについても比較して記事にまとめてみました。

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