カワハラの、雑多な記録。

軽い自閉症の長男、小学校は普通級?支援学級?支援学級を見学してきました

      2019/06/11

子供に自閉症などの発達障害がある場合、小学校入学時にどのような学校、学級を選ぶかで悩まなければいけません。
主に次のような選択肢があるかと思います。

  • 特別支援学校
  • 特別支援学級
  • 通級
  • 普通級

上に行くほど発達障害の程度が重い子供に対応しています。
我が家の長男は軽度の自閉症スペクトラム、ちょっと前まではアスペルガー症候群と呼ばれていた症状に近いと診断されたことがあります。

アスペルガー症候群は基本的に、知能的な遅れはないとされていて、長男もその点では大丈夫なように思います。
現在5歳で来年4月に小学校入学ですが、一応ひらがなの読み書きは出来るようになりました。
他の子供に比べて極端に勉強が出来ないということもないかと思います。

自閉症スペクトラムとしての症状はごく軽く、障害と言えるラインなのかも微妙なところです。
しかし、自閉症特有の空気の読めなさがあり、主に対人関係において小学校で上手くやっていけるかが心配です。

そんな長男の小学校はどうするか。
重度の自閉症のお子さんを持つ親御さんも深い悩みを持っているはずですが、長男のように軽度の自閉症児の親である我々夫婦も悩みが尽きません。

小学校の特別支援学級に見学に行った

長男が通っている幼稚園は普通の公立幼稚園ですが、住んでいる市では発達障害やそれが疑われる子供が重点的に支援を受けられる「チューリップ」と言う制度があります。
今回、幼稚園の先生とそのチューリップの親たちで小学校に見学に行ってきました。

その小学校は普通の公立小学校で、普通の学級に加えて特別支援学級が4クラス設置されています。
今回見学に行った「チューリップ」の親たちは、子供が小学校入学時にこの特別支援学級に入る可能性があります。
特別支援学級の雰囲気はどんななのか、特別支援学級に入れるか、普通級に入れるか、その辺を判断する材料とするため、今回の見学が行われるというわけです。
もちろん子どもたちが通っている平日に見学が行われたので、私も会社を休んで見学に行ってきました。

今回4クラス回ってきたので、どんな雰囲気だったのかをざっくり紹介します。

1クラス目

見学したのは2時間目の授業でしたが、始まってすぐ1クラス目に行くと、
2年生の少年が一人、算数の問題にの答え合わせで、自分で丸を付けていました。
でも、この少年はこの時間は音楽の授業で移動しないといけないようです。

移動しないといけないのに、最後まで丸を付けたいのでやめられず、先生からも「音楽室に行かなきゃダメでしょ」と何度も促されていました。

うーん。うちの長男もこのタイプかもしれません。
なかなか気持ちの切り替えができず、今やりたいことがあるとそれをしてしまう。
その少年は、キリの良いところでなんとか丸つけをやめることが出来、無事に音楽の教室に向かいました。

この教室でこの時間に授業を受ける4年生の女の子は、その間待っていました。

2クラス目

さっきの教室は児童が1人だけで授業を受けていましたが、次の教室は3人いました。
2年生か3年生くらい?算数の授業でしょうか。
お買いものの勉強で、先生が(おもちゃの)お金を見せて「これ何円?」と聞いて正解者にそのお金を渡してます。
各自が持っている紙で作った財布にある程度貯まったら、前に並べられた値札の付いた本を買うというような内容だった。

買い物という、生きていく上で必須のスキルも教える意味があるんでしょうか。
支援学級じゃなくても普通級でもこういった授業はあるのかもしれませんが。

3クラス目

おかっぱの女の子が一人。
3年生か4年生くらいかな?

国語の授業のようです。
漢字が絡まって模様みたいになった中から、漢字を探して色を塗るというような遊びの要素を取り入れた勉強でした。

4クラス目

男の子が2人
一人は割り算の筆算。
もう一人はひらがなを書いていた。
3,4年生位かと思いますが、この年齢でひらがなの練習と言うことは、普通級の授業に付いていくのは難しいのかもしれません。

再び1クラス目

もう一度1クラス目に戻ってきました。
先程、少年が音楽室に行くまで待っていた4年生の女の子が1人で授業を受けていました。

授業の最後の方で「算数の問題やりたい!」と言って1桁の足し算をやっていました。
4年生で1桁の足し算(繰り上がりなし)は簡単過ぎる内容だと思いますが、
簡単に解けるこの足し算が好き→やりたい!と言う感じでしょうか。
自己肯定感を育む意味でも、簡単な問題でも解いた達成感を得るのは良いと思います。

でも答えが9位の問題になると、指折り数えて計算していました。
やっぱり普通級のフルスピードの授業に付いていくのは難しいのかもしれません。

ちなみにこの子、嫁の話によると私の家にビニールプールを出していた時にやって来て、長男たちと遊んでくれた後なかなか帰らなかった子らしいです。
もっと遊びたい!と言う気持ちが強くて、なかなか帰れなかったのかもしれません。

4つの特別支援学級を見学して感じたこと

今回見学した教室は1~3人の子供達が授業を受けていました。
支援学級に在籍している児童はこれが全てではなく、各教室には各5人ずつくらいいそうでした。
と言うのも、特別支援学級に在籍していても授業によっては普通級の授業にも参加します。
普通級では授業についていくのが難しい時間(国語と算数が多いそうです)は支援学級で各児童のレベルに合わせた授業が行われます。

制度としては特別支援学級は1クラスの定員は8人と決まっているそうです。

支援学級で授業を受けている子供達を見て感じたのは、
「見た感じ普通の子供達だな」
と言うこと。
普通級に混じって授業を受けていたら、どの子が支援学級に行っている子なのか、多分分からないと思います。

一見して普通の子供ですが支援学級に在籍するということは、学習面の遅れと言う要素が強いのかもしれません。

見学後の質問タイム。

見学した2時間目の授業が終わった後、支援学級の担任をしている先生の一人への質問タイムが設けられました。

支援級へ通っていることでのイジメとかある?

一緒に見学した方から「支援学級に通っていることでのイジメなどはあるでしょうか?」と言う質問が。
それについては「絶対にないとははっきりとは言えませんが…」みたいなもやもやした答えが。

回りにどんな子がいるかによって状況は全然変わってくるのでなんとも言えないとは思いますが、親としてはこれはすごく気になります。
支援学級に入れることでイジメられることがあるなら、普通級へ…
と考える親がいて当然ですが、普通級へ入れたら入れたで変に目立ってイジメの対象になる、と言う可能性もあるわけで、それなら支援級で手厚い支援を受けられる方が良い、と言う考え方もあります。

対人関係や集団行動を上手にする技術、いわゆるソーシャルスキルは普通の子供は普通に身につけられますが、発達障害のある子供はそうはいかない場合があります。
特別支援学級なら1学級当たりの人数が少ないため、授業の中でソーシャルスキルトレーニングの機会も多いかと思いますが、普通級は人数が多いため一人一人への対応は手薄になります。
下手に普通級に入れて、ソーシャルスキルを学ぶ機会がないまま育つと取り返しがつかないことになると言う意見もあるかと思います。

実際に入学してみないとどうなるか分からないので、いくら考えても答えは出ません。

通級という制度について

長男は特別支援学校に通う必要があるほど重度の自閉症スペクトラムではないため、支援学校は当初から考えていませんでした。
なので選択肢としては特別支援学級か普通級、そして通級と言う選択肢があります。

通級とは、子供は普通級の在籍となりますが、週に1度くらいの頻度で支援学級に通うというイメージです。
実際には、今回見学した支援学級そのものではなく、通級を担当している先生の教室に通うことになります。
通級を常設している小学校は市内でも少なく、利用する場合は週に1度その先生に通っている小学校に来てもらい、通級を実施するということになるようです。

事前に調べていた限りでは通級がいいのではないか?と思っていました。

支援学級に通う程ではないが、普通級ではちょっと心配。
普通級だけでは心配な部分を支援してもらえる、普通級と支援学級の中間的な存在が通級と考えました。

しかし、話を聞いた限りではこの小学校では現在通級を利用している児童はおらず、通級の先生も数が足りていない状況。
通級の申請をしても通るかどうか分からないと言う話です。

話を聞いた感じでは、通級の利用はあまり現実的ではないかもしれないと思い始めました。

特別支援学級 ←→ 普通級の転籍は可能

特別支援学級から普通級への移籍は可能なようです。
でも色々と手続きがあり、「じゃあ来月から普通級で。」みたいな簡単な話ではありません。
だいたいは年度末の学年が上がるタイミングで替わるのが普通みたいです。

聞いた限りでは、特別支援学級から普通級へいく子供はそんなに多くはない模様。
それでも特別支援学級に入ったら、ずっと特別支援学級じゃないといけない、というわけではないと言うことです。
まずは特別支援学級に入れて様子を見て、大丈夫そうだったら普通級へ行くことも可能です。
逆に普通級から特別支援学級へ移るケースもあります。

もし普通級に通った場合に期待出来る事と心配な事

期待できること

  • 良くも悪くも「普通」
  • 周囲の影響により大きく伸びる可能性

「普通」ということが良いか悪いかはさておき、「普通」でいられれば余計な心配は減るかもしれません。

普通級に行くと、勉教や運動が出来る子も、それほど得意ではない子も色々います。
周囲の刺激がいい影響を与えて成長してくれるという期待もあります。

心配なこと

  • 普通級に通うことで、回りの子供に付いていけないことで感じるストレス、挫折感。
  • コミュニケーション能力の不足や、変に目立つことによるイジメ
  • 勉教に付いていけるのか?
  • 授業中ずっと座っていられる?

勉教、運動、対人面などで周囲に付いていけず、それがストレスになる可能性があります。
それにより心が折れてしまうと可哀想です。

授業中にずっと座っていられるか心配です。
なにか気になることがあると、フラフラと立ち上がって歩きだしたりしないだろうか。
多分大丈夫だろうとは思いますが…

もし特別支援学級に通った場合に期待出来る事と心配な事

期待できること

  • 一人一人に対応したきめ細かい対応をしてもらえる
  • 社会性の低さやコミュニケーション能力を伸ばすための支援が受けられる(ソーシャルスキルトレーニング)

特別支援学級の定員は1クラス8名までなので、単純に教師の目も届きやすいです。
さらに、何が出来て何が出来ないのかなどの発達具合も一人一人記録されるそうです。

心配なこと

  • 勉強に遅れが出ないのか?
  • 支援学級に通っているということでのイジメ
  • 支援学級に通っている、通っていたという事実が本人の中でネガティブなものにならない?

今回見学して、特別支援学級に通っている子の勉教の進み具合はちょっとゆっくりかな?と思いました。
長男が特別支援学級に入り、勉教の進み具合がゆっくりになったとしたら、卒業までに小学校の勉教が終わらないと思います。
その状態だと通常の中学校の授業についていけるわけもないので、中学校でも支援学級に入るしかなくなります。
その場合、高校の進学とかどうするの?とか考えてしまいました。

でも、一人一人の能力に合わせて、特別支援学級に入っていても勉教が出来る子は普通級の授業と同じ速さで進むとのことでした。
もし長男が特別支援学級に入って、勉教の進み具合がゆっくりになるのだとすれば、それは長男の能力に合わせた結果そうなったというわけで、その状態で普通級に放り込まれれば、通常スピードで進む勉強についていけないということです。
それは本人にとってもかなり辛いと思います。

以上のことを踏まえると、特別支援学級に入ったら勉強に遅れが出る、という心配はする必要はなさそうです。

また、支援学級に通っているということで、普通級の子からイジメられるということもあるかもしれません。
しかし、対人関係を築くのが苦手で支援学級に入ったほうが良い子供が普通級に通うと、変に目立って余計にイジメられる可能性もありますし、イジメというリスクはどこ行ってもあります。

結局どうする?幼稚園での面談結果

小学校の見学と幼稚園での進路などの面談が同じ日だったんですが、幼稚園の先生の意見としては、支援学級に入れるほどではないのでは?と言う感じでした。

とは言え、幼稚園での様子を普段見ている先生にとっても、「支援学級に入れる必要は一切ありません!」と断言できるわけでもなく、発達の検査を受けてみる、と言うことになりました。
この発達の検査は、知的な発達具合を見るための検査のようで、この検査の結果で支援学級か普通級かを決められるものでもありませんが、参考にはなるとのこと。
もし、知的な遅れが大きい場合は支援学級の方がいいんじゃないの?と言う事になりそうです。

長男の場合は、自閉症スペクトラムの中でもアスペルガータイプなので、知的な遅れはないと思います。(親としてそう思いたいというのもありますが。)
なので、この検査で知的な問題はないという結果が出て、じゃあ普通級に入れましょう、と言う流れに持っていけるかなと考えています。

まとめ

9月に市の教育支援委員会から教育支援委員が幼稚園に来て、園での様子を見るそうです。
その結果、支援学級の方がいいという方向に行くかもしれませんので、まだどうなるかは分かりません。
結局どうしたらいいのか、答えが出ていないですが幼稚園で面談をして、普通級で大丈夫かなと言う思いが強くなってきました。
今の段階では普通級が有力ということにしておきます。

【追記】
結局、小学校は普通級に進学しました。
ギリギリなんとか着いて行けているかな、と言う印象です。
小学校入学後の様子も記事に書きました。

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